小林可夢偉が2013年シーズンのF1レギュラーシート獲得を断念

ザウバーF1チームのレギュラードライバーとしてF1を戦ってきた小林可夢偉選手ですが、12月18日に自身の公式サイトで来シーズンのF1レギュラーシートの獲得を断念したことを発表しました。

(小林可夢偉公式サイトより)

小林選手は2008、2009年とパナソニック・トヨタ・レーシングのサードドライバーとして所属し、2009年のF1ブラジルGPで決勝レースに初出場。第17戦アブダビGPでは6位入賞を果たしました。

2010〜2012年はザウバーF1チームに所属し2012シーズン第15戦日本GPでは3位表彰台を獲得して日本のファンを大いに沸かせてくれましたが、残念ながら今シーズン限りでザウバーF1チームのレギュラーシートを喪失。そのため、来シーズンの活動資金を獲得するためのスポンサー活動に加えて「KAMUI SUPPORT」という募金サイトを開設。1口1万円という高額な募金金額にも関わらず12月18日の時点で1億84,65万5,120円の募金が集まり、スポンサーから獲得した資金を合わせると800万ユーロ(約8億9,280万円)にも上りましたが、この金額でもレギュラーシートの獲得は叶いませんでした。

小林選手が12月18日に公式サイトに掲載したメッセージでは、2013年にF1以外の活動は考えておらず、2014年からのレギュラーシート獲得を目指すとしています。

なお募金の受付は12月18日を持って終了。また今回集めた寄付金はそのまま2014年のレギュラーシート獲得の資金とすると明言しました。

F1のレギュラーシートを獲得するためにお金=持参金が必要と聞くと、プロスポーツとしては意外に聞こえるかも知れません。たしかに持参金を持たずにチームからオファーされるケースもありますが、それはほんの一握りのトップドライバーだけで、若手選手はこういった持参金を持ってF1シートを獲得し、経験を積みながら上を目指すというケースがほとんど。小林選手のように例え3位表彰台を獲得してもその条件は変わりません。

持参金はスポンサーをかき集めて用意するのが一般的で、今回の小林選手の募金作戦というのはF1では前例が内ような気がします。しかし短期間で1億8000万円以上も募金が集まったということは、それだけ多くのファンに支えられているということなのだと思います。

日本人不在の2013シーズンのF1は非常に寂しいものとなりますが、2014年に小林選手が再びF1に返り咲いてくれることを願いたいものですね。
(クリッカー編集部)