日産が、電気信号でつながった次世代ステアリングを一年以内に発売【動画】

アクセルペダルとスロットルバルブを機械的につなげず、電気信号でコントロールする”バイワイヤ”は、いまや常識。この技術が、次世代カーにおいてはブレーキやステアリングへと拡大する傾向なのは多くが認めるとことですが、日産が、バイワイヤのステアリングシステムを発表、実際に走行する様子を公開しました。

通常のステアリングシステムにおいては、ハンドルの操作を機械にタイヤに伝えて操舵しているからですが、この次世代ステアリング技術では、ハンドルとタイヤは基本的に機械的な接続はありません(異常時にはバックアップのためのクラッチが作動し、ハンドルとタイヤを「機械的」に結びます)。

通常はハンドル操作からドライバーの意図を読み取り、電気信号に置き換えてタイヤを操舵します。これにより、人間がハンドル操作するょりも素早く正確に操舵できるというのがメリットといいます。さらにルームミラー上部に設置したカメラからの情報をもとに、路面のわだちや横風などによる自車の進行方向とのずれを認識、そのずれを低減するようにタイヤ角とハンドル反力を制御するということです。こうして疲労を軽くすることが可能なのも、バイワイヤ・ステアリングだからこそでしょう。

また、ハンドルを入力装置としてだけでなく、ドライバーに状況を伝える出力装置としても考慮されています。路面からの情報をより早く、分かり易くドライバーにフィードバックするため、インフォメーションとして不要と思われる要因は車両側で制御して遮断することで、必要な情報だけをドライバーに伝えるということ。

結果的に、ドライバーが走りたいラインを示せば、微調整することなくクルマが忠実にトレースしてくれるというわけです。

 

 

タイヤ角度とハンドル角度、操舵力を独立に制御するという、この新技術は1年以内にInfinitiモデルに搭載される予定。試作車からするとインフィニティG(日本名:スカイライン)が有力候補といえそうです。

将来的に、メカニカルにつながったバックアップシステムでなくなれば、ハンドルが丸い必要もなくなる可能性のあるバイワイヤ・ステアリングシステム。果たして、どのように進化していくのでしょうか。

 

(山本晋也)

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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