三菱自動車のコンパクトSUVである「RVR(アールブイアール)」がデビューから3年、昨年につづくマイナーチェンジを受けました。
今回の変更点は、前後バンパー形状などスタイリング面が大きなところ。また、廉価グレードもアイドリングストップが付き、新世代エンジンへとシフトされています。これにより、三菱自動車がAS&G(オートストップ アンド ゴー)と呼ぶアイドリングストップ機構と、車両安定化技術であるアクティブスタビリティコントロール(ASC)がRVRの全グレードに備わることになりました。
キープコンセプトのスタイリングですが、 マイナーチェンジ前後で比較するとわかるようにフロントバンパーとリヤバンパーの意匠を変更、スムースな面の形状としています。フロントグリルは凹凸を効かせてSUVらしい力強さを強調しています。さらに上級のGグレードでは、グリルフレーム、フォグランプベゼル、ベルトラインモールにメッキ加飾を施して、上質感をいっそう高めています。
また、バンパー下部やサイドシルガーニッシュをボディ同色からブラックに変更することで、SUVとしての機能性を高めるとともに、ボディを薄く見せる効果などによりスタイリングを引き締めているのも見逃せません。
エンジンは前述のとおり、全グレードにおいて新世代のAS&G対応4気筒SOHCエンジンとなりました。この4J10型はフリクションを減らしたローラーロッカーアームを介してバルブを動かすSOHCヘッドですが、スイングカムを追加しているのが特徴です。このスイングカム位置を変更させることで、吸気側の連続可変リフトや吸排気の連続位相可変機構を実現しています。
そして、この新世代エンジンとCVTによるパワートレインを得たことで、最廉価のEグレードのモード燃費は15.8km/Lとなり、平成27年度燃費基準を達成。これにより、エコカー減税対象車となり、購入時の自動車取得税と自動車重量税が50%減税されるということです。
インテリアではシート生地をアクセントカラーを加えたタイプへ変更、上級グレードのGではサイド部にステッチを追加しています。さらに全車でフロントドアトリムのピンモールとメーターリングにクロムメッキが施されたということです(Gは従来から採用)。
メーカーオプションのMMCS(ナビゲーション、オーディオ)を、高解像度・高精細WVGAモニターを搭載した多機能メモリーナビゲーションで構成する新タイプに変更しているほか、リヤビューカメラから後方の映像を確認できるディスプレイオーディオも用意されています。
もちろん、スタイリッシュなエクステリアの特装車「ROADEST(ローデスト)」は健在です。
振り返れば、RVRの国内デビューは2010年2月。2011年10月には、アイドリングストップ機能「オートストップ&ゴー(AS&G)」と新型1.8L MIVECエンジンを搭載するといった大きな変更を受け、そして一年後にアピアランスのリフレッシュ。まさにイヤーモデルといえる、着実な進化を遂げています。
今回のマイナーチェンジでも、新世代エンジンの採用を広げただけでなく、リヤサスペンションのトレーリングアームの形状見直し、ショックアブソーバー、スタビライザーのチューニングなどにより、操縦安定性と乗り心地を向上させるといった変更を受けています。
それでいて、メーカー希望小売価格は1,848,000~2,701,500円と、エンジンのかわったEグレード以外は価格据え置き。ボディカラーは新色のクォーツブラウンメタリック、ホワイトパール(有料色)、ブラックマイカ、クールシルバーメタリック、チタニウムグレイメタリック、レッドメタリックの6色となりました。なお、特装車のローデストの希望小売価格は2,300,000円~2,701,500円となっています。
●RVR E 主要諸元
全長:4295mm
全幅:1770mm
全高:1615mm
ホイールベース:2670mm
車両重量:1350kg
JC08モード燃費:15.8km/L
エンジン型式:4J10 MIVEC
気筒数・バルブ数:4気筒 SOHC 16バルブ
総排気量:1798cc
最高出力:102kW(139ps)/6000rpm
最大トルク:172N.m(17.5kg-m)/4200rpm
タイヤサイズ: 215/65R16
(山本晋也)