日産の新型ラティオは、あの懐かしいパルサー後継車

2012年10月5日に日本デビューした日産の新型ラティオ。グローバル戦略車として各国・各地域で様々な名前を持つラティオですが、そのルーツは日産伝統の「パルサー」にあります。

というのも、新型ラティオの車両型式は「N17」。このアルファベットと数字の組み合わせは、アルファベットが車両の系統、数字が世代を示すというのが日産の流儀。では、N1#系統といえば、もともとは歴代「パルサー」に使われてきた型式です。国際派のイメージがあるパルサーの流れをくんだ「N1#」系の最新モデルが、グローバルカーのラティオというわけです。

 

 

日本国内でパルサーが販売されていたのは1972年〜2000年。その歴代パルサーを型式と共に振り返ってみましょう。

 

初代パルサー(N10)1978〜1982

「チェリー」の後継モデルとして生まれた初代パルサー。当初のエンジンは1.4リッター4気筒OHVでした。

 

二代目パルサー(N12)1982〜1986

 

アルファロメオの水平対向エンジンを搭載した「アルファロメオ・アルナ」を兄弟車に持つ二代目パルサー。国内ではリベルタビラというセダンもラインナップされていました。

 

三代目パルサー(N13)1986〜1990

 

日本カー・オブ・ザ・イヤーを獲得した三代目パルサーには、リベルタビラ、ラングレー、エクサと同じN13系統ながら、それぞれに個性的な兄弟モデルが展開されていました。

 

四代目パルサー(N14)1990〜1995

 

世界ラリー選手権を睨んだ2.0リッターツインカムターボ・フルタイム4WDのGTi-Rが印象的な四代目では、兄弟モデルが整理されて、パルサーに統合されています。

 

五代目パルサー(N15)1995〜2000

国内のパルサーとしては最後となった五代目。スポーティグレードとしてはN1耐久レース(現在のスーパー耐久)のベースマシンとして1.6リッターながら200馬力を発生したVZ-R・N1はクラス最強のスペックでした。

 

 

かつて、日産自動車の入社試験で「GNP(国民総生産)とは何の略?」という質問に対して「ガンバレ、ニッサン、パルサー!」と答えたら合格したという都市伝説もあるほどメジャーな名前だったパルサー。その末裔ともいえるラティオが、そうした歴史を体験してきたベテランドライバーをメインターゲットの一つにしているというのは偶然ではないのかもしれません。

(山本晋也)

【写真ギャラリーをご覧になりたい方は】 https://clicccar.com/2012/10/06/200799

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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