今後約3年間でハイブリッドを21モデル投入し、PHVも市販化したトヨタは、EVでは三菱や日産に先行を許しておきましたが、近距離のシティコミュータとしてなら電気自動車の存在価値も無視できないと考えたはずで、iQベースのEV「eQ」の市場導入を9月末に発表しました。
まずは、EVの「eQ」を今年の12月以降に日本とアメリカで自治体や特定利用者むけに限定導入を開始するそうですが、一般へのリリースも期待したいところです。「CEATEC JAPAN」での会場では、「eQ」とPHVから電気を引き出すことのできる逆潮流対応充電スタンド「G-Station2」を展示。
「eQ」のハイライトは、JC08モードで104Wh/kmという世界最高の電費を達成することで、12kWhの小型バッテリーでありながら一充電走行距離100km、最高速度125km/hを実現。HV、PHVだけでなくFCV(燃料電池車)でも先行し、アメリカではテスラと共同開発した「RAV4 EV」をリリースしているトヨタの技術力ならEVも即市販化できる実力を備えているワケです。
逆潮流対応充電スタンド「G-Station2」は、発電機にもなるエンジンを積むPHVから電気を取り出し、ほかの小型EVや電動アシスト自転車に100Vで充電できるシステム。Wi-Fiスポットとしても機能し、スマートフォンなどの充電も可能です。この逆潮流は主に災害時を想定し、平常時には200Vでの2台同時充電に対応しています。
なお、すでに発売済みの「G-Station」の価格は28万円のタイプAと48万円のタイプBがあり、インターネットに接続できる充電器としては業界最廉価を実現していますから、この逆潮流対応充電スタンド「G-Station2」も市販化を見据えた提案なのでしょう。
EVの「eQ」はもちろん、逆潮流対応充電スタンドも街中で見かける日も遠くないかもしれません。
(塚田勝弘)