省燃費トレンドはアメ車のフルサイズトラックにも!

いかにもワイルドなイメージのあるアメリカン・フルサイズピックアップトラックも、そうした省燃費トレンドを無視できなくなっています。

クライスラーのダッジ・ラムといえば、押し出しの強いワイルドなフルサイズピックアップ。このカテゴリーには「燃費なんて気にしない!」というイメージがありましたが、2013年モデルへのマイナーチェンジでは、省燃費性能の向上が全面的にアピールされているのです。

 

たとえば、ベーシックなV6エンジンは3.7リッターから3.6リッターとなり、20%もの省燃費性能向上を果たしているといいます。もっとも可変バルブタイミング機構を採用した新世代エンジンは、パワーにして42%アップもしているといいますから、燃費指向オンリーというわけではないよう。 

また、5.7リッターV8のヘミエンジンも395馬力ながら同カテゴリーの8気筒エンジンとしては燃費への意識が強いとアピールされています。さらに『TorqueFlite 8』と呼ばれる8速オートマチックをV6、V8に組み合わせたことも燃費に効いているといいます。

空力を無視しているような大きなグリルとマッシブなスタイリングですが、Cd値は0.36とこのクラスとしては優秀う。さらにグリルの内側にはシャッターが設けられ、必要に応じて開閉することで温度管理や空気抵抗のコントロールを図っているとのこと。省燃費化の定番ともいえる電動パワーステアリングの採用も2013年モデルで見逃せない変更点ということです。

結果として、アメリカ式の燃費でいうと 18MPG(city)、25MPG(highway)という燃費性能を実現。

これを日本風の表記にすると7.6km/L(シティ)、10.6km/L(ハイウェイ)となります。アメリカの計測方法が日本よりも数字的に厳しくなりがちなことを考えると、フルサイズピックアップでこの燃費性能は、かなり優秀といえそうです。

(山本晋也)

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この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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