【試乗レポート】シボレー ソニック は峠もおいしい!

シボレーソニック スポーツラインに乗って関越自動車道経由で全日本ラリー「モントレー in 渋川」の取材に行ったわけですが、会場となった群馬県渋川・伊香保エリアには漫画「頭文字D」で有名な秋名山ならぬ榛名山があります。なんといっても日本一、というかアジア一有名な峠。

その榛名山の麓は榛名湖という観光地。馬に乗って湖畔を一周するサービスもあったりします。

ラリーの取材は午後からにするということで、この日の午前中は伊香保温泉から榛名湖に至るワインディングをじっくりと走ってみることにしました。

この道、曲率がキツイわりに制限速度はおおむね40km/h。ヴィッツとかフィットだと制限速度内でも普通にタイヤが鳴ります。その上、ローリング走行防止のためにコーナーの進入側にうねりがついているので、ボディーがしっかりしたクルマでないとミシミシいうという、結構過酷な環境。

とりあえず登りをATのオートモードで走ってみました。回転一定でプーリーの変速比で制御しちゃうCVTと違って、加減速に合わせてちゃんとギアを変速してくれるのでブレーキ後のキックダウンなんかでも加速にうっとうしさがない。VWのツインクラッチ式のように勝手にドンドンシフトアップしちゃってトルクが足りないということもなく、感覚的にとってもイージー。トルコンタイプのATはまだまだ第一線級です。

そして下りはマニュアルモードで走ることに。

このマニュアルモード、シフトレバーのスイッチで操作するのですが、親指だけで操作できるので予想以上に使いやすい。ATのマニュアルモードってクルマによって種類はかなり多いのです、ハンドルにスイッチがついているタイプのポルシェのティプトロに比べればソニックのスイッチ式の方が遥かに使いやすい。

このスイッチでチョイチョイとシフトを変えながら、制限速度は超えないように榛名湖から下っていくと、ソニックの凄さが身に染みて解ってきます。

進入のうねうねでボディーがミシリともいわない。そしてボディーに対してサスペンションがかなり良く動くので突き上げるような不快感が無い!ここ、国産のコンパクトだとウネウネの3個目くらいで突き上げが起きてリアが跳ねたりするんですよ。まぁ、だから思いっきり減速してコーナーに入るわけで、ウネウネを作ってある狙い通りとなるわけですが。

よく動くサスペンションはコーナーリングの最中も効いてきます。制限速度内であってもかなり榛名の下りは曲率がキツイのでかなりロールしそうな勢いなんですが、まぁ確かにロールはそこそこします。だけど突き当りまで行かない。バンプラバーの手前のバネの自由長の中でロールが収まっている感じ。特にリアは最後までタイヤが路面から逃げません。

あれ?これってマルチリンクだったっけ?本当にそう思うくらいリアが接地しているのですが、何本か走って榛名湖畔の駐車場でクルマの下を覗き込んでみたらやっぱりトーションビーム。いやぁ、このトーションビーム、よく出来てるなぁ。

試乗車は205/50-17のグッドイヤー イーグルEXEを履いていましたが、いくらタイヤが良くてもリアサスが逃げちゃえばタイヤの性能を使い切ることが出来ません。そこいくと、ソニックは榛名の下りを制限速度で走っている分にはリアサスが全然逃げない。 このあたりはゴルフの前の型、ゴルフVの1.6Eより優秀かも知れません。

それにしても、このボディ、サスペンションに17インチホイールを履いての229万円は、かなりお買い得なのではないでしょうか?

 いやぁ、ホンキで気持ちいい走りが出来ました。

次回は「地獄の東北道ナイトドライブ」です。

■シボレー ソニック SPORTSLINE
http://www.chevrolet.co.jp/sonic/sportline/

(北森涼介)

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この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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