ランエボ奴田原/佐藤組3戦ぶりの総合優勝。競技後にチャンピオンがはまった死角【全日本ラリー第5戦モントレーin渋川】

全日本ラリー選手権 モントレーin渋川、Day2総合のトップ争いは勝田/足立組(ラック名スバルSTI DLインプレッサ)と奴田原/佐藤組(ADVAN-PIAAランサー)が0.6秒差。そして3位以下を30秒近く引き離し、一騎打ちの状態。この日最初の SS10 Haruna-R で2.5秒差をつけ逆転した奴田原/佐藤組は、続くSS11 SibukawaPark-Rのギャラリーステージで更に1.3秒差を広げる。

残るSSは2つだが、最終SS SibukawaParkはSS11のリバース(逆走)、400m前後の超ショートなギャラリーステージでラックインプレッサはここにセッティングを合わせていない。勝田/足立組はSS12 Akagi(6.9km)勝負を賭ける。

運命のSS12 Akagi トップはNo.4高山/河野組(DL☆OF☆MOTY’s☆ハセプロランサー)

2位は奴田原/佐藤組! 3位は石田/草加組の(DL TEIN MARCHE ランサー)、

勝田/足立組はトップから3.7秒遅れ(奴田原/佐藤組から3秒遅れ) の総合4番手であった。

勝敗の帰趨はほぼ決した。そしてSS13 SibukawaParkは高山/河野組が連取、 奴田原/佐藤組は2位で締めくくり、勝田/足立組はトップから1.3秒遅れの9位でSSを駆け抜けた。総合優勝は第2戦久万高原以来の奴田原/佐藤組。2位は勝田/足立組、3位には前戦に続いて石田/草加組が入賞した筈…だったが、ラリーはフィニッシュするまで何が起こるかわからない。そして、仮表彰終了後に事態が発覚する。

No.1勝田/足立組がSS13後のTC 13B(Service D Out/Parc Ferme In)の時刻に6分早着していたのだ。

ラリーはサーキットレースの様に1度スタートしたらゴールまで一番早く着けば良いというシンプルなルールではない。 幾つものステージで、異なったスタート地点で指定時間にスタートを切り、場合によっては数十キロ離れた所でゴールを迎える…事を繰り返すので、この指定時間を守れないとラリー競技は進行に支障が出る…というか、競技が成立しない。

そのため、時間通りにTC(タイムコントロール)に到着しないと、走行時間のトータルにペナルティタイムが加算される。今回、勝田/足立組はTC13Bに6分早着し、ペナルティが全SS走行時間に6分加算されてしまった(遅着の場合は1分ごとに10秒。早着の方がペナルティが重い)。

2位で終えた走行時間6分が加算されると総合17位/JN4クラス10位に後退してしまい、獲得ポイントがDay1のデイポイント3点のみになってしまった。 このペナルティにより、2位には石田/草加組、3位には柳澤/中原組(CUSCO ADVAN IMPREZA)が繰り上がる事となった。

今回の結果によっては、最終戦を待たずして自力でのチャンピオンを獲得する可能性も見えていた足立/勝田組。 ランキングトップは守っているが、戦前のゆとりあったポイントの差は消失した。結果が出た直後は複雑な表情を見せ ていた勝田だが、会場を離れる前には「次(戦)で挽回します」と吹っ切れた表情を見せていた。

次戦の「大阪電通大チャリティラリー 丹後半島ラリー2012」もモントレー同様3年振りに復活するターマックイベント。 勝田/足立組vs奴田原/佐藤組vs柳澤/中原組。三つ巴の全日本タイトル戦いは更に混迷を深めつつ、舞台を近畿に移す。

■JN-4 第5戦終了時 ポイントランキング(ドライバー)
1 勝田範彦  67+0+3=70pt.
2 奴田原文雄 49.5+10+5=64.5pt.
3 柳澤宏至  53+6+0=59pt.
4 高山 仁  13+5+2=20pt.
5 石田雅史  9+8+2=19pt.
6 杉村哲郎  12+2+0=14pt.
(4戦終了時ポイント+イベントポイント+デイポイント:非公式集計)

(川崎BASE)

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