7月16日にいち早く横浜で公開された新型・日産ノート。直列3気筒1.2Lエンジンに、ON/OFF可能なスーパーチャージャーを搭載したHR12DDRエンジンに注目が集まります。そして、組み合わされるトランスミッションはCVT。
低燃費と高出力を両立させるスーパーチャージャー+CVTと聞いて、「スバル好き」として思い浮かんだクルマが、3代目スバル・レックスコンビVX。
すでにクルマそのものを知らない人も多いのではと思いますが、KN1型レックスは1988年に登場し、スーパーチャージャー+CVTという革新的な装備でありながらエンジンそのものは2気筒でした(しかも当時の軽自動車の排気量は550cc!)。
スバルの軽といえば4気筒エンジンを搭載したEN07系が有名ですが、この頃は2気筒エンジンのEK23という初代レックス末期に出たエンジンをベースとしています。
スペックは最高出力55ps/6400rpm、最大トルク7.4kg-m/4400rpmと、デビュー時は当時の軽自動車としてはかなりの高出力でしたが、同年10月に改良されたダイハツ・ミラターボ(EFI仕様)はあっさり64馬力にパワーアップ、スズキ・アルトワークスと共に軽自動車最強伝説を作り上げていきました。
世界初と言われた乗用車用ベルト式CVTも耐久性に乏しく、ATからの乗り換えではクリープ現象が無いといった違和感がある事などから、ヒット作とはいえなかったようです。
ジョージマイケルの曲に乗せて軽快に走るCMはとても2気筒エンジンのクルマには見えませんね。
初のスーパーチャージャー+CVTを搭載したレックス、翌年6月に4気筒エンジンを搭載して61psにパワーアップ、その後のスバルの軽自動車の代名詞ともいえる4気筒モデルが誕生しました。ちなみに一時はスバルのみならず、スズキでも4気筒モデルが存在しましたが、次第に姿を消していきました。
軽自動車の分野でも常に独創的で最新技術を取り入れてきたスバルですが、サンバーの自社生産終了で軽自動車は全てダイハツ製になりました。そのダイハツに唯一残る軽4気筒モデルのコペンも来月で販売終了。いよいよ軽自動車の4気筒モデルが姿を消します。
そして、新型ノートに搭載されるHR12DDRエンジンは3気筒。コンパクトカーにも3気筒エンジンの波が押し寄せてくるのでしょうか?
(井元 貴幸)