新型カローラは「キャビンフォワード」に「トラッド感」を融合した新デザインにトライしました!【新型トヨタカローラのすべて】

2012年上半期(1~6月)販売ランキングのトップ5を見ると、①トヨタプリウス②ホンダフィット③トヨタアクア④ホンダフリード⑤トヨタヴィッツが並んでいます。

5車種に共通するデザインは、フロントウインドウとAピラーを前出しする「キャビンフォワード」です。平たく言うと、ボンネットよりもフロントウインドウの方が、面積が大きいデザインなのですね。かつては斬新なイメージがありましたが、今ではこちらがスタンダードになってきました。

カローラも先代までキャビンフォワードでしたが、新型を見て「あれ?」と感じました。 というのも新型カローラは、フロントのAピラーを後方に配置しているからです。でも単にフロントウインドウとAピラーを後方に引き戻したら、昔のシルエットに逆戻りしてしまいますよね。

秘密はフロントウインドウにありました。新型カローラでは、フロントウインドウの中心位置は動かしていないのですね。両端をグ~っと後方に湾曲させて、Aピラーを後退させたデザインを採用しているのです。

デザインの狙いは2つ。

ひとつは、セダン・アクシオの主なターゲット層である団塊の世代への訴求です。60~70年代を知っている世代にとっては、Aピラーが後方にある方が馴染みが深いのですね。Aピラーの後方配置は、ノスタルジックなトラッド感を狙っている訳です。

2つ目は、若手をターゲットにしたワゴンのフィールダーです。キャビンフォワードを見て育ってきた世代にとって、Aピラーの後方配置は逆に「新しさ」を感じるのだそうです。湾曲したフロントウインドウは、リアまで伸びるワゴンスタイルにマッチしていると感じました。

キャビンフォワード全盛の中、あえて「キャビンフォワード」と「トラッド感」組み合わせた新デザインにチャレンジしている新型カローラ。セダンのアクシオ、ワゴンのフィールダー共に、是非ともフロントウインドウとAピラーに注目してみてください。

「70年代国産車のすべて」が発刊されました。もう懐かしくて涙ものですよ~!

(デザイン編@拓波幸としひろ)