キャンピングカーユーザーが「道の駅」に求めているものトップ3【車中泊女子の全国縦断記】

一般社団法人 日本RV協会(以下、JRVA)が「道の駅を利用する際に有料でも使用したくなる施設」および 「利用中に いちばん気にしていること」 の2項目を、JRVAホームページを通じてアンケート調査したところによると、多くのキャンピングカーユーザーが 『道の駅』に入浴施設を併置してほしいと回答、また全体の6割を超えるユーザーが 『道の駅』における夜間のセキリュティー強化を望んでいることが判明しました。

(この調査は5月16日〜6月15日にかけて実施、それぞれの設問で400人前後の回答を得られました)

図1

道の駅場内で「有料でも、あったらいいな」と思われる施設を尋ねる調査では、「コインシャワー・温泉などの入浴施設」が、420票中の193票(46.0%)でトップ。
2番目には、「車中泊サイト」112票(26.7%)。
3番目には、「ゴミや汚水処理施設」(72票/17.1%)。

解る〜!これはわたしも1票。特に北海道などではゴミを捨てられる道の駅はほとんど無いに等しいので、旅行者用にゴミ袋を販売している道の駅には必ずチェックを入れています(『香りの里たきのうえ』『メルヘンの丘めまんべつ』など)。

キャンピングカー旅行そのものが長期化しているので、このトップ3は納得です。

ダイネットやキッチンなどの生活設備を持つキャンピングカーの場合、旅行中に溜まる生活ゴミは悩みのタネ。また、タンクに溜まった生活雑排水の処理も面倒なものです。多くのユーザーは「ゴミの持ち帰り」 や「汚水の自宅処理」を実践していますが、やはり有料でも、ゴミ処理などを行なってくれる施設の出現を期待する声は高まる一方です。

ゴミ処理はキャンピングカーユーザーのみに関わる問題ではなく、車中泊している一般乗用車の利用者や事業用車両にも関わってくる問題です。

毎年観光シーズンが到来すると、道の駅などの公共駐車場のゴミ箱には観光客の捨てていく生活ゴミが溢れ返るという惨状を究めますが、これを防ぎ、適正に処理するためにも、ゴミ処理の有料化が検討されてもいい時期が来ているように思われます。

図2

続いて、『道の駅』で仮眠などの休息をとるユーザーが「もっとも気になることは、どんなことか」も調査。それによると、63.8%(367人中234人)のユーザーが「夜間の安全性や騒音の有無」と答えていることが分かりました。

道の駅の駐車場は「自動車用宿泊施設」として明文化されたスペースではありませんので、深夜や早朝に車中泊の人たちが迷惑を被るような騒音をまき散らす車が侵入してきても、道の駅には泊まっている人たちを保護する権限はありません。

そんなユーザーの不安を解消するべく、この7月末から山口県の萩市にある「道の駅ゆとりパークたまがわ」にJRVAが認定する「RVパーク」の1号目が営業を開始!どんな設備なのか、わたしも帰路に立ち寄ってみたいです。また、今後少しずつ増えていくかもしれませんね。

「もっとも気になること」2番目は、「夜間も使える施設の充実度」 (15.3%) 。

山間部などの道の駅では、夜になると灯が点いているのはトイレだけというところも珍しくありません。たまに、それすら人感センサーになっていて真っ暗なんてことも。「星が綺麗!」なんてロマンチックに浸れる勇気がない人にとっては恐怖です。

群馬県の道の駅「おおた」に24時間営業のケータリングカーが登場して話題になりましたが、夜間でも使える設備を増やすということはそのために立ち寄る利用者の数を増やすということになりますから、過労運転や居眠り運転防止に役立ち、さらにその地域での滞在時間やリピーターの増加につながることでしょうね。 

たとえば、24時間営業のコンビニやガソリンスタンドとの連携を強化することにより、高速道路のSA・PAが現在進めているような地域社会と企業との共存共栄も実現可能かも知れません。

3番目は 「駐車場の広さ」 (7.6%)。

道の駅は、多くのヒトやクルマが行き来します。業務用の大型車両と一般車両との共存をどのように図るか。また一般車中泊車両とキャンピングカーとの共存をどのように図るか。

アイドリング防止、暴走行為問題などなど、「道の駅」を利用する旅行形態には、まだまだ解決課題がたくさん残されています。JRVAは、地域産業の育成と利用者の安全・安心を約束する「RVパーク構想」を企画し、いま全国に広めようとしています。

日本において、自動車旅行という旅行スタイルの歴史はまだ浅く、ましてや「道の駅」で休憩しながら移動する旅そのものが、ルールもマナーも確立されないままひとり歩きをしているのが現状です。キャンピングカーユーザーを含む道の駅利用者全員にとって使いやすいインフラの整備を進めていくことは、ユーザー便宜を図ることにとどまらず、地方の産業育成にとっても不可欠なのではないでしょうか。

〔東京キャンピングカーショー2012〕
【開催日時】2012年7月7日(土)~8日(日) 10:00~17:00
【会場】東京ビッグサイト 東6ホール(東京都江東区有明3-10-1)
【主催】東京キャンピングカーショー2012実行委員会
【入場料】一般:前売り 400円(当日500円) / 小中学生:前売り200円(当日300円)

今回のショーでは、豪華輸入車からキャンピングトレーラー、新型キャブコン、バンコン、さらには話題の軽キャンピングカーに至るまで、現在もっとも “旬” の人気キャンピングカーが勢揃いします。この夏最大級のイベントですので、ぜひお見逃しなく。

■一般社団法人 日本RV協会
http://www.jrva.com/

■東京キャンピングカーショー2012
http://www.campingcarshow.com/

(松本しう周己)

この記事の著者

松本しう周己 近影

松本しう周己

高校は美術科を卒業し、印刷会社のデザイン部に就職するも2年足らずで退職してフリーターに。主にコンサート・イベント関係で全国を駆け回る。その後、なぜかウェブデザインの道へ。仕事としては車との接点はまったくないが旅行好きでドライブ好き、20年前から道の駅などで車中泊していた。
「ネットを通して仕事ができれば、どこにいても構わないのでは」と、2005年、ついにキャンピングカーを自宅兼仕事場としてしまった。根は機械オンチなため、日進月歩の日々。
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