昼過ぎのニュース番組の短いニュースで「え?」と耳を疑うものを聞いてしまいました。
中国浙江省(せっこうしょう)でイギリスのスポーツカー「アストンマーティンバンテージV8」と「メルセデスベンツ SLS」が制限速度120km/hの高速道路をそれぞれ258km/h、235km/hで走行し摘発されたというもの(過去最高)。
ドライバーは「90后(ジューリンホウ)」と呼ばれる90年生まれの丁度「一人っ子政策」の青年達です。浙江省は上海のお隣、経済成長のお陰で富裕層も多いので両親がお金持ちで高級品やスーパーカーを買い与えるというのがさして珍しい事ではないとか。
それだけであれば、只のおぼっちゃまで済むのだが・・・この90后は人間としてマナーが非常に悪い方がいるという事。仮に法を犯しても親が権力者だったり・・・ともかくも自由な世代です。当然運転マナーも問題で「ここは自分の道路だ」と言わんばかりな横柄な運転だったり、ストリートレースも・・・
で、今回のこの事件で彼らは日本円にして2万6000円の罰金と免許停止処分(期間は不明)
え?たったそれだけ?
上海の平均月収(2011年度)は4331人民元=約54500円です。しかし彼らはこの何十倍の収入(おこずかいも含む)があります。そもそも、制限速度120km/hの高速道路で倍以上の速度で走って罰金と免停というのがおかしい!
ちなみに日本では80km/h以上の速度超過になると刑事裁判になり懲役刑になり尚且つ罰金と免許失効となる場合があります。
更に中国の道路交通法について調べてみるととんでもない事が…
「違反金の前払い」というのがあるらしいです。中国の江西省楽平県(浙江省のお隣)のみの法律らしいですが、1900人民元(約2万3800円)を払うと3ヶ月、8000人民元(約10万円)払うと1年間何度違反してもスルーされるいわば「免罪符」のようなもの。
どちらにしても彼ら90后達には痛くも痒くもない話だそうで、両親の力で免停なんかもどうにかなってしまう事も…
急激な経済成長に法律が追いついていないというのもあるにしても憤りを超えて呆れてしまいます。クルマに対しても非常に可哀想な事ではないでしょうか?
ドライバーの皆様、クルマ好きの方々、「海外の話だから・・・」という風に思わないでください。改めて安全運転に努めて、楽しいドライブ、素晴らしいカーライフを過ごしていきましょう。
性能をフルに発揮させたい場合はサーキットでお願いいたします。
■速度違反記録を更新 時速258kmでスポーツカー暴走(テレビ朝日)
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/220625030.html
(栗原 淳)