車内での移動時間の楽しみの一つと言えば音楽鑑賞。今も昔も変わらない車内の時間の過ごし方だと思います。
最近ではiPodやMP3プレーヤー、iPhoneやスマートフォンに取り込んだ音楽をBluetooth接続やUSB接続をして聞くのが主流のようで、クルマ側にもUSB端子が設置されていたり、カーナビにBluetoothやiPodケーブルがオプション等で用意されていたりする事からも車内での音楽メディアの現状が伺えます。
携帯音楽プレーヤーはBluetooth等を遣えばワイヤレスで接続する事が出来、見た目もすっきりする上、クルマから降りた後や、クルマ以外での移動の際も同じ音楽を持ち歩けるのが魅力です。
他にも、カーナビのハードディスクに音楽領域を持たせているモデルでは、携帯音楽プレーヤー等から音楽を取り込み、再生する事も可能です。
しかしながら、音質にこだわる人にはまだまだCDも現役であり、デッドニングやスピーカーの交換、果てはバッテリーケーブルの引き直しまで、突き詰めたらきりがないようです。
手軽に高音質を楽しめるのは、メーカーオプションで用意されている高級オーディオ。
マークレビンソンやマッキントッシュ、ロックフォード等モデルによりますが、パワーアンプが別体であったり、最初からデッドニングがされていたり、一回視聴してみれば標準オーディオとの差は歴然。
しかしながら価格が高い上、後から交換が出来なかったり、拡張性が無かったり、ブランドで選択したものの中身は国産メーカーのデッキだったり、抱き合わせで不必要なオプションが付いて来たりと言ったリスクもあるのが現状です。
さて、昔のカーオーディオと言えばカセットテープが主流であり、ドライブ前にお気に入りの音楽を編集したりするのも一つの楽しみであったりしました。
その流れはそのままMDへ移行し、パソコンと共に普及したCD-Rへと移り変わって行きます。
カーステレオの中には驚くべきメディアが存在した事もあり、古くは昭和のカラオケの代表である8トラックテープを再生できるものに始まり、あっと言う間に無くなってしまったDCC(デジタルコンパクトカセット)、非圧縮オーディオとして今でもファンの多いDAT(デジタルオーディオテープ)など、「あぁ!そんなのあったね!」という音楽メディアでも、殆どがカーステレオとして売り出されていました。
特にDATは今でも音のこだわる人から強い支持を受けており、SONY DTX-10、MITSUBISHI TZ-9165、ADDZEST DAT-909等、程度のいい物は今でもオークションで高額入札がある事があるようです。
車内で聞く音楽メディア、圧縮オーディオ全盛の現代では非圧縮オーディオのカーステレオは、ほぼ絶滅と言えるかもしれません。
最近ではオーディオレスのクルマも多く、その殆どはディーラーオプションや後付けのカーナビ一体型のオーディオが主役とも言えます。
近い将来、カーステレオは、オーディオレスか、AM/FMラジオにUSB端子とミニジャックのAUX入力が付いただけの物ばかりになるかも知れませんね。
(井元 貴幸)