ロータリーエンジンは消えず、EVと共に生き続ける!?

新聞各紙が報じたところによりますと、マツダの山内CEOが「来年にもロータリーエンジンを搭載したEV(電気自動車)をリース販売する」と発言したということです。

すでにデミオEVの実証実験などを行なっているマツダですが、それはバッテリーのみで動くピュアEV。山内CEOのいうロータリーエンジンを搭載するEVとは、いわゆる”レンジエクステンダー”とよばれるエンジンで発電して電気モーターを駆動するタイプのEV。これにより電池切れの心配を減らすだけでなく、バッテリー搭載量を最適化できるというメリットもあるものです。

その発電用エンジンとして水素を燃料としたゼロ・エミッションのロータリーエンジンを搭載する予定というのですから、今夏でRX-8が生産休止となってしまい、その市販が止まってしまうロータリーエンジンが生き残るということであり、また次世代エコカーの中心的技術としてロータリーが位置づけられるということでもあります。

とはいえ、水素ロータリーエンジンについて多少の知識があれば、これは唐突な話ではないと感じることでしょう。

すでに2009年よりリース販売が行なわれている「プレマシーハイドロジェンREハイブリッド」が、まさしく水素ロータリーエンジンで発電して、電気モーターでタイヤを駆動するというパワートレインを持っているのです。

車体は別として、このプレマシーハイドロジェンの延長線としてバッテリー搭載量を見直し、またプラグイン(外部充電)できるようにしたクルマを想定していると考えれば、来年からロータリーエンジンを搭載したレンジエクステンダーEVのリース販売をはじめるというのはけっして無茶な計画ではなく、むしろ手堅い印象さえあります。

レンジエクステンダー(RE)を支えるロータリーエンジン(RE)。ダブルREの未来に期待しましょう!

■プレマシーハイドロジェンREハイブリッド(マツダ)
http://www.mazda.co.jp/philosophy/tech/env/hybrid/premacy_hre.html

(山本晋也) 

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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