インプレッサVSランエボ 対決の構図に異変!? 【全日本ラリー選手権 がんばろう福島ラリー(1)】

6月2,3日福島県棚倉町周辺で「全日本ラリー選手権 第3戦 がんばろう福島ラリー」が開催されました。
最高峰のJN4クラスは緒戦、ツール・ド・九州(唐津)、第2戦久万高原(愛媛)と勝田 範彦/足立 さやか 組のLUCK名スバルSTI DLインプレッサと奴田原 文雄/佐藤 忠宜 組のADVAN-PIAAランサーがともに優勝と2位を分け合い、ここまでは一騎打ちの様相を 呈しています。

現在ポイントリーダー 勝田/足立組の「ラック名スバルSTI DLインプレッサ」

迎えた第3戦「がんばろう福島ラリー」はグラベル(未舗装路)を中心に総走行距離441.57km/SS合計63.43kmで戦います。
Day1 好天の中、全日本選手権はゼッケン通りの走行順にスタートします。走行順が最初から数人は砂利や砂など路面の堆積物の掃除役です。No.1は前年チャンピオンの勝田/足立組インプレッサ、No.2は奴田原/佐藤組のランサーとなり、勝田/足立組は圧倒的に不利…の筈が、SS1でイキナリのトップタイム。とはいえ、2位の奴田原/佐藤組とは0.6秒と僅差。

奴田原/佐藤組 ランサー・エボX「ADVAN-PIAAランサー」

この2台は3位以下をいきなり1.7秒引き離し、またも2強の争いが展開されるかと思われた。 しかしこの2台の独走に待ったを掛けたのがSS1で4番手だった、No.3柳澤 宏至/中原 祥雅 組のインプレッサ(CUSCO ADVAN GRB)。

柳澤/中原組のNo.3インプレッサ「CUSCO ADVAN GRB」

SS2で2番手タイム、 SS3ではトップタイムを叩き出し、2番手に浮上。SS4でもトップタイムを奪うと最大7秒有ったタイム差を1.4秒迄縮め、No.1勝田/足立組に肉薄する。 一方3番手に後退した奴田原/佐藤組のランサーはSS4終了時には、13秒差とじりじり引き離され始める。 とはいえ、総合4位の大嶋治夫/井手上達也 組ランサー(加勢eレーシングランサー)は更に18秒後方と、3台で後続をぶっちぎった 状態である。
迎えたSS5:Renessance1はサービスパークから歩いて行けるギャラリーステージ。ここで奴田原/佐藤組がトップ タイムを叩き出す。しかし、ここのSSは今回最短の0.5km。2位勝田/足立組から削り取れたタイム差は僅かに0.3秒。なかなか差は詰まらない。SS6,7のトップタイムは勝田/足立組が奪うが、SS7:Renessance2では柳澤/中原組とNo.8大西康弘/市野啓 組のランサー(ADVANPIAA大西ランサー)の3台が同タイムでトップに並び、奴田原/佐藤組とNo.9杉村哲郎/立久井和子組のインプレッサ(ITZZ☆DL☆KYB☆WAKO’s☆LFインプ)が0.1秒差で4位、以下8位迄が0.5秒以内にひしめく大混戦(注:全日本ラリーではタイム計測は1/10秒迄です)

SS8はNo.4高山 仁/河野 洋志 組のランサー(DL☆0F☆レイルCL☆ハセプロランサー)がトップタイムを奪う。2位勝田/足立組に0.8秒の差をつける驚速タイムで、総合8位から6位に浮上するも、1分以上離されている。柳澤/中原組も同タイムの2位。ここでちょっとした異変が起こる。奴田原/佐藤組のランサーがトップから7.6秒遅れの6位。急に上位2台のインプレッサと差が開く。ここ迄常に3位以内又は0.2秒差の同着4位はあった。―何か不具合を抱えたのか。
迎えたSS9:Renessance3。No.1勝田/足立組の次に通り過ぎたのはNo.3柳澤/中原組であった。No.2奴田原/佐藤組が来ない。 止まったとの情報は未だなく、No.4高山/河野組が通過。次にはNo.5福永 修/奥村 久継 組インプレッサ(ハセプロCL☆DLインプレッサSTI)が通り過ぎる。そして、ようやくNo.2の赤/黒のランサーが通過した。トップとのタイム差は0.3秒。車に深刻なダメージは無い様だが…。No.2奴田原/佐藤組はSS8の前で停車/再始動時にエンジンが掛からないトラブルで、TC遅着。総合結果に40秒がペナルティー加算される事となった。 このSSもNo.4高山/河野組がトップタイムを奪い、総合5位に浮上。但し総合1位とのタイム差1分以上は0.1秒しか詰まらない。表彰台争いに喰い込むには上位の3台の誰かが脱落してくれない限り難しそうだったが、表彰台の可能性が見えてきた。

DAY1:SS9終了時点でトップ勝田/足立組と柳澤/中原組の差は3.1秒。トップだが、 セーフティーマージンを築けなかった勝田/足立組、追う者の強さを漂わせる柳澤/中原組。

王者の背中が見えた!

2台のインプレッサに対し、昨年ここで優勝し今回も優勝候補とみられていたが、一転4位との差が僅か5秒と表彰台死守が目標となった奴田原/佐藤組のランサー。ランサーからインプレッサへシフトするチームも増加している。インプレッサVSランサーの対決図式は遂に崩れるのか? DAY2は一転雨の予報が出ていた。天気同様リザルトも荒れるのか?朝6:00に競技は再開されます。

DAY2へつづく

(川崎BASE)

【写真ギャラリーをご覧になりたい方はこちら】https://clicccar.com/?p=162443