日本では交通事故死亡者の1/3以上が歩行中の事故という統計データがあります。いまや乗車中よりも増えているほどで、死亡事故を減らすには乗員保護の安全装備につづいて歩行者保護の考え方が重要となってきています。
たとえば保安基準に中に、ボンネット(フロントフード)の歩行者頭部保護が規定され、2012年9月1日以降は国内で生産されるすべてのクルマにおいて、その保安基準を満たすことになります。それゆえに、フロントが低く、エンジンとの隙間が少ない一部車種が生産休止となっていたりしています。
さて、そうした歩行者保護は日本だけでなく世界的なトレンド。安全性能にこだわるボルボが、あらたな手段を市販車に導入します。それが『歩行者用エアバッグ』です。
フロントに仕込まれた7つのセンサーによってフロントバンパーに人間の脚がぶつかったと判断すると、200~300分の1秒で歩行者用エアバッグが完全に展開。ボンネットを10cmほど浮かせて頭部を保護すると同時に、フロントガラスやAピラーなどへの衝突による衝撃を抑制するということです。
ちなみに歩行者用エアバッグが展開するのは20~50km/hでの走行中という条件ということですから、信号待ちで停車しているボルボのフロントバンパーを叩いたからといってエアバッグが開くことはないようです。
なお、歩行者用エアバッグを搭載した新型V40の日本における発売は来春を予定しているということです。
■歩行者頭部保護基準の導入(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha04/09/090420_.html
(山本晋也)