ぶつからないクルマの研究が科学技術賞を受賞【スバル・アイサイト】

富士重工業の技術開発者が、平成24年度科学技術分野の科学技術賞を受賞しました。

受賞した研究テーマは「ぶつからない車を目指した先進運転支援システムの開発」ということです。市販車に採用されている『Eyesight』につながる研究が文部科学大臣に評価されたというわけです。

こうしたプリクラッシュ技術は世界中の自動車メーカーが研究、採用しているものですが、CCDカメラだけで実現しているのはスバル富士重工業だけ。

そのポイントは、他メーカーのようにレーダーやレーザーセンサーを使わずに、ステレオカメラだけで前方の状況を把握すること。これにより衝突する危険を認識した場合に自動ブレーキによって車両を減速・停止させるということです。

こうして、一つのセンサーで前方車両までの距離、速度差、相対位置の算出と運転支援の制御を行うこが低コスト化につながり、ユーザーが選びやすい10万円相当の価格にできたということ。市場に受け入れられる技術にしたことも、受賞につながったのでしょう。

受賞者の皆様、おめでとうございます。

受賞者(敬称略)
柴田 英司  スバル技術本部 車両研究実験第3部 次長
関口 弘幸  スバル技術本部 車両研究実験第3部主査4 担当
丸山 匡    スバル技術本部 車両研究実験第3部主査4 担当
加藤 寛基  スバル技術本部 車両研究実験第3部主査4 担当
工藤 新也  スバル技術本部 車両研究実験第3部主査4 担当

■「ぶつからない車を目指した先進運転支援システムの開発」が平成24年度科学技術分野の文部科学大臣科学技術賞受賞 (富士重工業ニュースリリース)
http://www.fhi.co.jp/news/12_04_06/12_04_17.html

■平成24年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞 受賞者一覧(文部科学省・PDF)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/24/04/1319413.htm

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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