EVの安全性が格段にあがる!? 大阪府立大学が世界初の室温作動に成功した固体蓄電池

大阪府立大学の林 晃敏 助教・辰巳砂昌弘 教授らの研究グループは、ナトリウムイオン伝導性を示す無機固体電解質を新たに開発し、それを用いた全固体ナトリウム蓄電池の室温作動に世界で初めて成功したと発表しました。

現在EVのバッテリーとしてはリチウムイオン電池が主流となっていますが、 ナトリウム蓄電池は豊富なナトリウム資源を背景に低コスト化が期待できるということです。また実用化されているナトリウム・硫黄電池はありますが、セル内が300度に達するため定置使用はともかく車載などの移動体には不向きといえる状況です。

今回、大阪府立大学の研究グループが開発した無機固体電解質によって作られた全固体ナトリウム蓄電池は、室温においてナトリウムイオンが高速移動できるということで、クルマや携帯機器などへの使用の可能性が広がったといいます。

またリチウムイオン電池の使われる有機電解液は可燃性のために強固なバッテリーケースなど衝突時の対策も重要となりますが、無機固体電解質は不燃性ゆえに安全性は高いとのこと。

現時点では試作した全固体ナトリウム電池が室温で充放電可能であり、将来有望な固体電解質となりうることが明らかになったということですから、すぐさま実用化という話ではないようですが、安全性と高エネルギー密度を兼ね備えた次世代電池の芽が育つことに期待しましょう。

■プレスリリース|全固体ナトリウム蓄電池の室温作動に世界で初めて成功(大阪府立大学)
http://www.osakafu-u.ac.jp/info/publicity/release/2012/20120518.html

 

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也

山本晋也 近影
日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。