いっこく堂の芸がスゴすぎて、テレビで見ているかぎり腹話術というよりアフレコに聞こえてしまうと思っているのは私だけでしょうか?
ま、それとはちょっとちがうかもしれませんが、プロ中のプロがやる技のなかには素人にとっては「なんかスゴそうなのはわかるけど、どれくらいスゴいのかわからない」というものもあるでしょう。
クルマやバイク、自転車でやる曲芸なんかもそのひとつだと思います。スゴいのはわかるけど、こっちの技とあっちの技とで、どっちがどれくらいスゴいのかはよくわからない、という感じのものです。
ましてやテレビ番組やCMなんかで見る場合、成功した場面だけしか見る機会がなかったりするのでなおさらです。でもこの映像を見ると、「自然の地形を使った自転車でのダブルバックフリップ」がどんなに大変なことかわかると思います。
チャレンジするのはフリースタイル・マウンテンバイクのプロフェッショナル、ポール・バサゴイティア。彼は「自然の地形でダブルバックフリップを決めること」を何年も前から夢見ていたそうです。
チャレンジした舞台はユタの岩山。まずシングルのバックフリップはいとも簡単にキメます。ところがそこからが大変。ダブルのバックフリップを決めるまでには、なんども着地に失敗し、転倒したり落下したり。それでも彼は立ち上がり、また自転車を押して急斜面を登ります。不死身か!これには思わずジェームズ・キャメロン監督の映画「ターミネーター」(1984・アメリカ)を思い出してしまいました。
まぁ、最後は成功するんですがただ成功した1トライを見るだけよりも、その前の何度も失するシーンを見てから成功したシーンを見たほうが逆にスゴみが感じられますね。
(まめ蔵)