「CX-5の販売では、赤いファミリア以来の手応えを感じている!」とは、マツダ社長のコメント。
「赤いファミリア」といえば、昭和の経営危機を救った大ベストセラーでした。社長がそれを引き合いに出したのは、「平成の超円高はCX-5で打破するゾ!」という決意表明に他ならないと感じた次第です。
実際CX-5開発責任者の田中さんには、社長や重役から開発スケジュールの進捗やコスト低減に関する問い合わせが毎朝(!)あったそうです。まさしくフルスカイアクティブは、マツダの社運をかけた大勝負なのですね!
ただ一方で、どうしてフルスカイアクティブ第一号がSUVなのか、不思議に思っていました。理由は、世界のSUV市場が成長しており、海外(特に欧州)でマツダ3(デミオ)ユーザーの上級シフトを囲い込むためとのこと。なるほど〜。
「世界規模の市場で最も成功しているマツダ車は、マツダ3です。そしてマツダ3のお客様が次にどのクルマに乗り替えるのかを調査しますと、CX-5セグメントのクルマが大半なのです。アテンザ(マツダ6)ではなく、CX-7でもありません。そこでマツダ3のお客様にもう一度マツダ車に乗っていただければ、マツダのブランドとしての将来を確かにできるのです」
また開発のエピソードとして興味深いのは、各セクション横通しでトータル性能の向上を目指したフルスカイアクティブも、最初の試作車は各部の挙動がチグハグして一体感が不足していたそうです。やはりクルマとしての完成度を高めるためには、走って走って走りまくるしかなかったとのこと。ドイツで徹底して走り込んだ田舎道のルートでは、他の有名メーカー(ベンツかなBMWかな?)が真似して使い始めたそうですから、鍛え方は半端じゃありません。
だからといって、「走り命!」という訳ではありません。
CX-5が目指したのは、「ドライバーは運転を楽しみ、同乗する家族はクルマのリズムと流れゆく景色とおしゃべりを楽しみ、乗員全員に快適かつ安全なドライブを提供する。」というものでした。ドライバーか同乗者のどちらかを満たすクルマは数あれど、両方を同時に満足させるというのは並大抵ではありません。
具体的なイメージは、「遠足は家に帰着するまで!」「ドライブという楽しさを復活させたい」という田中さんのポリシーと次のコメントから浮かんできました。
クルマにはクルマの楽しみがある訳で、120%同感です(・o・)ゞ
「お父さんは、本当に運転を楽しんでいる。渋滞でも、高速走行でも楽しい。後席の子供も景色の変化を楽しんでいる。お父さんとお母さんは、子供たちの反応を話題にして会話する。目的地に着くまでの、移動そのものがとても楽しいんです。」
昭和の赤いファミリアといえば、グレードは「XG」と言われるほど、人気を誇りました。
平成のフルスカイアクティブCX-5といえば、人気沸騰中のクリーンディーゼルの「XD」が、名を残しそうな勢いですね!
いっそのこと、ガソリン仕様も「XG」にしちゃえば良かったのになあ〜!
(我が家では、クルマ内のTV・ゲーム・DVD・ケータイ厳禁です!@拓波幸としひろ)