これまでマツダは、世界各地のモーターショーで「流れ=NAGARE」をデザインテーマにショーモデルを出展。世界的に高い評価を得ると共に、量販車のデザインにも反映してきました。
そして「流れ」に次ぐ新たなデザインテーマが「魂動=KODO」。まさに字の通り「魂が動く!」という躍動感溢れるダイナミックな造形が身上で、CX-5は「魂動」の量販車第一号として誕生しました。
スタイルで特徴的なのは、フロントピラーを前出しする「キャビンフォワード」を採用しなかったことでしょう。ピラーを後退させて視覚的な重心を後ろに寄せ、後ろ足に力をためたイメージに仕立ててきたのです。
キャビンフォワード全盛の昨今では、大きいボンネットなどはかえって新鮮さを感じます。またエンジン排気管の「タコ足」が、フェンダー越しに収まっているのが見えるようで、まさに「フルスカイアクティブ」らしいシルエットだと感じました。
デザイン開発で興味深いのは、書道の筆運びも検討されていたことです。「ため」や「はらい」等、日本らしい美意識へのこだわりを強く感じました。
またこだわりといえば、カラーバリエーションにもマツダらしさがビンビン!国内6色のうち、赤が2色も入っているのですね。逆に定番色の白黒銀が1色づつしか設定されていないのですから、本当に思い切ったセレクションだと思います。「マツダの赤へのこだわりは、ただ事ではない!」とあらためて認識した次第です。
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派手なデザインのライバル車がひしめく中、マツダCX-5は決して目立つ存在ではありませんが、見る度に気に入っていくような、そんな不思議な魅力を感じます。
(拓波幸としひろ)