トヨタTS030 HYBRIDがテストでクラッシュ! ル・マン24時間レースでぶっつけ本番デビューとなる

1999年を最後にル・マン24時間レースから遠ざかっていたトヨタですが、今年13年ぶりにル・マン24時間レースに復帰。しかもハイブリッドレーシングマシンTS030 HYBRIDを持ち込むことで注目されています。


(写真:トヨタ・レーシング)

そのTS030は1月24日に完成し、12月25日のポールリカール(フランス)でのテストを皮切りに、5月5日に開催される世界耐久選手権(WEC)第2戦、スパ・フランコルシャン6時間レースへのデビューへ向けてテスト走行と開発が進められてきました。

スパ・フランコルシャン6時間レースはル・マン24時間レースの前哨戦として、マシンの仕上がりを確認する重要な実戦テストの場として知られているレースです。

しかし4月4日に行なわれたポールリカールサーキットでのテスト走行中にTS030 HYBRIDにアクシデントが発生。モノコックに大きな損傷を受けて修復不可能となってしまいました。つまり全損。
TS030 HYBRIDのモノコックはこれしかないため、新しいモノコックを作り直さなければならず、トヨタ・レーシングはスパ・フランコルシャン6時間レースまでにモノコックを準備するのは物理的に不可能と判断して、同レースへの参戦を取りやめにすることを発表しました。

トヨタ・レーシングのプレスリリースはこちら

この結果、トヨタTS030 HYBRIDのデビュー戦は6月16〜17日開催のル・マン24時間レースとなり、いきなりぶっつけ本番ということになってしまいました。

プレスリリースでは、トヨタ・レーシングの木下美明チーム代表は以下のように語っています。
「このような発表をするのは誠に遺憾であり、スパのレースを楽しみにしてくれていたファンの皆様に大変申し訳ない思いでいっぱいだ。あらゆる可能性を検討したが、残念ながら今回の苦渋の決断に至った。現在、新しいモノコックの製造を急いでおり、出来る限り早くテストに復帰し、ル・マン24時間 レースへの準備を進める」

トヨタTS030 HYBRIDのデビュー戦が遅れてしまうこと、開発テストスケジュールの遅れがル・マン24時間レースの結果にどのような影響を与えるのか心配ですが、早く新しいTS030 HYBRIDでのテスト再開とル・マン24時間での活躍を願いたいと思います。

(ぬまっち)

この記事の著者

ぬまっち(松沼 猛) 近影

ぬまっち(松沼 猛)

1968年生まれ1993~2013年まで三栄書房に在籍し、自動車誌、二輪誌、モータースポーツ誌、鉄道誌に関わる。2013年に独立。現在は編集プロダクション、ATCの代表取締役。子ども向け鉄道誌鉄おも!の編集長を務める傍ら、自動車誌、バイク誌、鉄道誌、WEB媒体に寄稿している。
過去に編集長を務めた雑誌はレーシングオン、WRCプラス、No.1カーガイド、鉄道のテクノロジー、レイル・マガジン。4駆ターボをこよなく愛し、ランエボII、ランエボVを乗り継いで、現在はBL5レガシィB4 GTスペックB(走行18万km!)で各地に出没しています。
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