トヨタは、WEC(2012年FIA世界耐久選手権/World Endurance Championship)への参戦体制について発表し、また1月25日からフランス・ポールリカールサーキットでモータースポーツハイブリッドシステムを搭載した参戦車“TS030 HYBRID”のテストを開始したことを発表しました。
いまやプリウスをはじめとしたハイブリッド市販車のラインナップが豊富なことから「トヨタ=ハイブリッド」とイメージされるほど。トヨタはハイブリッド・システムを採用してのFIA世界耐久選手権出場を発表した世界初の自動車メーカーとなります。
トヨタのWEC参戦チームは、TOYOTA Motorsport GmbH(TMG)(ドイツ・ケルン市)を本拠とし、チーム名は「TOYOTA Racing」とし、5月5日に開催されるFIA世界耐久選手権第2戦スパ・フランコルシャン6時間レースで、TS030 HYBRID をデビューさせる予定です。
WECといえばル・マン24時間レースが有名なカテゴリーの選手権ですが、木下美明・チーム代表は「もちろん、ル・マンでは優勝したいと思っている。優勝は、このレースに出場する誰もの夢だと思う。しかし、非常に強いライバルを相手に戦えるようになるには学び、成長しなければならないと現実的に考えており、今年の我々の目標は、THS-Rパワートレインを主としたTS030 HYBRIDの性能レベルを見せることだ」と今回の参戦に関して語っています。
トヨタがTHS-R (TOYOTA Hybrid System – Racing)と呼ぶTS030 HYBRIDのパワートレインは、3.4リッターV8自然吸気ガソリン・エンジンに、日清紡ホールディングスと開発したキャパシタ(蓄電器)を備えるハイブリッド・システムを採用しています。
TS030 HYBRIDのドライバー・ラインアップは、元F1ドライバーのアレックス・ブルツ(Alex Wurz:37歳 オーストリア)、中嶋一貴(27歳 日本)、またニコラス・ラピエール(Nicolas Lapierre:27歳 フランス)、が決定。もう1台のドライバー・ラインアップに関しては検討中です。
中嶋一貴選手は「TS030 HYBRIDの初走行が待ち遠しい。ロールアウトの際にアレックスやニコラスといろいろと話したが、大きな可能性を秘めたクルマであるのは明らかだ。ハイブリッド技術を携えてのル・マンへのカムバックはトヨタにとっては大きなチャレンジだと思うが、我々ドライバーにとっても大きなチャンスだと思うので、SUPER GTレースでの経験が活かせることを願っている。このプロジェクトに関わることができて最高だ」と参戦に関して語っています。
【クリッカー編集部】