BRZとインプレッサ STI specCを比較試乗してみた。その1

遅ればせながら、本日BRZの試乗に行って参りました。

試乗には比較のため、GRB インプレッサWRX STIspecC 18インチ仕様車も用意していただきました。

全く性格の異なるこの2台。共通点はスバル車だと言う事、水平対向エンジンを搭載している事、スバルのスポーツ部門に欠かせない存在だと言う事、程度でしょうか?

まずは、コースの下見を兼ねてGRBCインプレッサ WRX STI specC 6MTに試乗。

久々に乗るGRBでしたが、スペックCはプッシュスタート式では無いので、久々に捻るキーの感覚に、ワクワク感を覚えます。

試乗では、市街地からワインディングまで全域トルクフルで扱いやすく、クラッチも特別重い訳でもなく、乗り心地もガチガチで疲れてしまう訳でもありません。

しかし一度アクセルを踏み込めばボールベアリングターボに加給されたエンジンは一気に加速。
非日常の世界へ誘います。

乗り心地も堅い訳では無いのに、コーナーでの挙動や路面のギャップ等で姿勢を崩す事無く、軽くいなしていきます。

ハンドリングは相変わらずAWDとは思えない回答性の良さが光ります。

スペックCにはアルミボンネットが採用され、専用のハイグリップタイヤが装着されますが、日常的に使う分には通常のWRX STIでも十分すぎるほどで、ボールベアリングターボのレスポンスや限界域でのインタークーラーウォータースプレーの恩恵などはサーキットにでも行かないと発揮出来ない気もします。

スペックCと言えどオートエアコンやパワーウィンドゥ等の快適装備は装着されるので、日常的に使うに当たりなんら不満はありません。

さて待望のBRZに試乗です。

試乗したのはZC6A BRZ S 6MT最上級グレードで、オプションのLEDデイライナー装着車です。

エクステリアはトヨタがデザインしたと言われていますが、まさにスポーツカーと言ったカタチで低く構えたスタイリングは率直にカッコいい!

ドアを開けると、気密性保持の為に20mmウィンドゥが昇降するインデックスシステムが作動。

後部座席には妻に乗ってもらいましたが、シートをベストポジションに合わせると後部から悲鳴が……致し方無いので、若干前へスライド……
プッシュスタートスイッチがセンターパネルにあるので、従来のプッシュスタート付き車に乗る人は一瞬まごつくかも知れません。

運転席に座ると、とにかく低い!
ダッシュボードの向こう側に見える景色は、普段乗るレガシィとは全く違う景色。

ドアトリムやダッシュボードが若干高く見えますが、視覚効果上の物で死角が増えているという感覚はありません。
ウィンドゥを開け、ドアの淵に肘を掛けて運転するようなスタイルはまずできず、運転が好きな人であれば、この時点でかなり、ワクワク感は高揚してきます。

走りだしはGRBの後だと、低速トルクの細さを感じますが、走り出してしまえばトルク不足やパワー不足を感じることはありません。

クラッチは極端に軽く、GRBでも軽いと感じるクラッチよりさらに軽く、スポーツカーとしてはもうちょと重くてもいいかな?と思いました。

回転を上げていくと話題のサウンドクリエイターにより、ますます気分が高まります。

低重心パッケージの素晴らしさは交差点を曲がるだけで体感できると言ったら大袈裟でしょうか?

レガシィに慣れていると、若干ドアミラーの小ささが気になりますが、いわゆる普通の大きさであり、レガシィが大きすぎると考えるのが妥当でしょう。

試乗車が新車と言う事もあってか、乗り心地はインプレッサに比べ突き上げ感があり、同乗者からは若干乗り心地が・・・・という声も聞かれましたが、運転を楽しむクルマという点ではこれくらいな方が、とも思います。

試乗コースにはちょっとしたアップダウンのあるワインディングロードがありますが、いつまでも走っていたい衝動に駆られます。

ステアリングを切ってクルマのノーズが向きを変えると言った当たり前のコトがとても気持ちよく、初めてFD3Sのステアリングを握った時の感動を思い出しました。

まだまだ書ききれない、BRZとGRBインプレッサの比較試乗、次回は同行者の意見も取り入れた徹底比較を報告したいと思います。(その2につづく)

(井元 貴幸)