スーパーGT2012シーズンも痛車から目が離せないよね

スーパーGT300クラスで増殖中の痛車達。話題性も去ることながら昨年はチャンピオンを獲得するなど実力も侮れないのです。そんな痛車達のスーパーGT開幕戦を振り返って見ましょう。

昨年のチャンピオンマシンであるカーナンバー0はGSR初音ミク BMW Z4。初音ミクは札幌のクリプトン・フューチャー・メディアが生み出したVOCALOID。すなわちバーチャル歌姫ですね。GSRはグッドスマイルレーシングの頭文字で。figmaやねんどろいどを始めとしたフィギュアメーカーで有名なグッドスマイルカンパニーがメインスポンサーになっています。

今年はFAI GT3規定での参加となり、V8気筒4,360ccの大排気量の真価が発揮されることになります。ドライバーも昨年のチャンピオン谷口信輝選手に加えてチャンピオン経験者の片岡龍也選手の強力体制となり、2連覇を意識したラインナップになりました。予選は1分30秒043で7番手となりましたが、決勝では3位入賞を果たしました。

2連覇を意識してしているGSRは2台目のBMW Z4 GT3も用意しました。それがカーナンバー4のGSR ProjectMirai BMWです。

ProjectMiraiは初音ミクが登場するセガの任天堂DS用ゲームソフト。0号車との見事な姉妹関係があります。ドライバーは昨年のチャンピオン番場琢選手と2010年にGSRに所属していた佐々木雅弘選手がコンビを組みます。開幕戦は15位フィニッシュとなりましたが、今後0号車を支援していくのか? はたまた下克上するのか楽しみですね。

これを痛車というかは個人的に微妙なのがカーナンバー2のエヴァンゲリオンRTアップル初号機。カラーリングはたしかに初号機の色を使っているのですけどね。ともあれエヴァンゲリオンとなると神奈川県代表という感じでしょうか。

それはともかく、この車は「違いのわかる男」で有名な由良拓也さん率いるムーンクラフトが製作した紫電というレーシングカーなのです。エンジンはトヨタ製V8気筒4,400cc。開幕戦は7位でフィニッシュを果たしました。

同じ神奈川県代表としてはイカ娘を冠するカーナンバー27、PACIFIC NAC イカ娘 フェラーリです。マシンはフェラーリ430GTC。この車はGTE仕様で、これはFIA-GT2に近いそうです。

マシンのポテンシャルがちょっと古くなっているのが気になるところでしたが、決勝レースでは10位でフィニッシュを果たしました。是非ともイカ娘でスーパーGTを侵略してもらいたいものです。

DIJONレーシングが走らせるカーナンバー48、DIJON音々ワコーズED。マシンはシボレーコルベットZ06R GT3です。コルベットはアメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS)でチャンピオンを獲得したことがあるのですよ。

さて、コルベットに描かれた音々ちゃんとは、大阪の日本橋(にっぽんばし)を活性化させるプロジェクトで誕生したマスコットキャラクター。ちなみに大阪の日本橋は東京で言う秋葉原です。そしてこの音々ちゃんをデザインしたのはいとうのいぢさん。涼宮ハルヒや灼眼のシャナなどのイラストレーターとしても超有名ですね。開幕戦は残念ながらリタイヤに終わってしまいましたが、今シーズンの奮戦に期待したいところです。

(松沼 猛)

この記事の著者

ぬまっち(松沼 猛) 近影

ぬまっち(松沼 猛)

1968年生まれ1993~2013年まで三栄書房に在籍し、自動車誌、二輪誌、モータースポーツ誌、鉄道誌に関わる。2013年に独立。現在は編集プロダクション、ATCの代表取締役。子ども向け鉄道誌鉄おも!の編集長を務める傍ら、自動車誌、バイク誌、鉄道誌、WEB媒体に寄稿している。
過去に編集長を務めた雑誌はレーシングオン、WRCプラス、No.1カーガイド、鉄道のテクノロジー、レイル・マガジン。4駆ターボをこよなく愛し、ランエボII、ランエボVを乗り継いで、現在はBL5レガシィB4 GTスペックB(走行18万km!)で各地に出没しています。
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