最大トルク880Nm、0-100km/h加速4秒。AMGの4モーターEVがテクノロジーを公開

2013年に発売が予定されているスーパースポーツEV『メルセデス·ベンツSLS AMG E-CELL』のテクノロジーが公開された。

AMGにふさわしいパフォーマンスを目指した、その駆動力は各タイヤごとに独立した4つのモーターによって提供される。その合計値は392kW、880Nm。最高回転速度は12000rpmとなっている。
また四輪独立モーターながらバネ下重量の増加をきらい、インホイール配置としていないのも特徴のひとつ。0-100km/h加速は4秒という。

4つのモーターで四輪を独立して駆動するオールホイールドライブにより 、最高のアクティブセーフティとダイナミクス性能を実現しているというのもEVならではのポイント。AMGの開発者によると、この独立したモーターを利用した “トルクベクタリング”は電気的に駆動され、電気的に制動することが可能となり、その制御範囲や自由度も格段に広がっているという。

バッテリーの総電力量は48 kWh。水冷式高電圧リチウムイオンバッテリーの開発はF1におけるKERSテクノロジーからのフィードバック。864セルからなるバッテリーパックはスペース効率、重量配分の視点からベストと考えられるキャビン中央に配置される。

シャシー面では新設計されたフロント・サスペンションが特徴。V8エンジンを搭載した量産車とは異なり、SLS AMG E-CELLのフロント・サスペンションはプッシュロッド式のマルチリンクサスペンションとなっている。
これはフロントタイヤを駆動するドライブシャフトを通すための変更ということだ。

振動が皆無で、電気モーターゆえのハイレスポンスが生み出す、新世代スーパースポーツ。公開されたテクノロジーからもその登場が楽しみになってくる。

(山本晋也)

【画像がすべて見られない方は】https://clicccar.com/?p=122412

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
続きを見る
閉じる