アクアの3次元クレイモデルは、2次元の「紙」が決め手となりました!【新型トヨタアクアのすべて/デザイン編】


最近の日本車は、写真だけではクルマのイメージが掴めなくなってきました。もともと欧州車もそうなのですが、「3次元の立体感」を訴求するデザインが採用されていると、2次元の写真では伝えきれないのですね。
特にアクアは、ボディ側面にエッジの効いた面もラインもないせいか、写真ではノッペリ見えます。でも実物を陽の光の下で見ると、サイドウィンドウ下のボディ側面がグッと張り出していて、写真からは想像できない程たくましい印象を受けました。


そこで登場したのが、なんと「紙」!クレイモデルに紙を張り付けて、面質を追求したのだそうです。
伸び縮みせず複雑な面には張れない「紙の制約」を逆に活用して、ひとつの硬質な面構成にまとめあげていったとのこと。
2次元の平面的な制約を持つ「紙」が、クルマの複雑な3次元ボディに一体感をもたらすというのですから、クルマのデザインは本当に奥が深いですよね。


それからアクアのデザインで、もうひとつ気になったのがボディカラーでした。
日本のどんよりした曇り空の下では、メタリックやパールが含まれていないとべたっとした見栄えになりがち。
でも今回新たに開発した「シトラスオレンジ」は、完熟したオレンジの深み・鮮やかさ・エネルギッシュさを表現するために、あえてメタリックを少な目に配合してソリッドライクな発色を優先したのだそうです。鮮やかなオレンジ色は、若々しい元気を感じますね。

アクアの産まれ故郷は、東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県です。トヨタはグループ会社を再編して、新たに最新鋭の工場を建設して生産を開始しました。
アクアが東北復興の推進力になっていって欲しいと願っています。

(拓波幸としひろ)