先日マツダディーラーにCX-5を見に行った時に、セールスさんの説明の中で気づいたことが3つありました。
ひとつ目に、CX−5の市場におけるセグメントについてです。実は「かみさんが運転するには、横幅1800mmを超えるCX−5では大きすぎるかな〜。」とつぶやいたら、しきりにセールスさんがCX−7と比べると小さくて安いことを説明してくれるのですね。「そりゃそうでしょう〜」と思っていたら、CX−7は昨年12月に国内ではカタログ落ちしているとのこと。
マツダは国内市場において、CX-5をCX−7の後継に位置づけ(ちょっと無理があるような気もしますが)、広い市場領域をカバーしようとしていることに気づいた次第です。
ふたつ目は、ガソリンエンジンの圧縮比についてです。「タコ足」をはじめとしたスカイアクティブ技術をフル搭載すれば、ディーゼルもガソリンエンジンも圧縮比「14」を達成できるというのが、これまでの解説でした。ところが、CX−5のガソリンエンジンの圧縮比は「13」に留まっています。「なんでだろう?」と聞いてみたら、「もちろん技術的に圧縮比をあげることはできますが、燃費とパワーのバランスと両立を優先したようです。」とのこと。なんか歯切れが悪い感じ・・・。
これは、国内仕様はオクタン価の低いレギュラーガソリンに対応させた言われてますが、ディーラーでは圧縮比とノッキングの関係などメカ的な話はしないようにしているからでしょうか。個人的には、もし「ハイオクで14」と「レギュラーで13」を選ぶとすれば、今の日本のガソリン価格差なら後者でいいと思います。
3つ目は、ユーザー層についてです。自分がディーラーに行った時は、何組かの団塊前後とおぼしき世代のご夫婦が、真剣な眼差しでじっくり見ていました。
それで感じたのは、今は必ずしも「いつかはクラウン」でも「でっかく行こうぜ人生は(エルグランド)」でもない時代だということです。
そんな中、「欧州風で押しが強そうだけど、大げさ過ぎないデザイン」「しっかり広くて高級感もあるけど、価格はリーズナブル」そして「タコ足等のこだわり抜いた、オリジナルメカ」を盛り込んだCX−5は、実は団塊前後の世代に受け入れられるのではないかと感じました。クルマやオーディオ、釣りやゴルフ等のライフスタイルにこだわる世代の価値観に、CX−5はドンピシャではまるように思えます。また「エンジン・タコ足標準装備」の前では、圧縮比の少しの違いはどうという問題ではないでしょう、きっと。
少し前に発売された同クラスの新型ホンダCR−Vは、アメリカで大ヒットしているそうです。でも日本ではスマートすぎて、浪花節というかこぶしが利いていない印象を受けますよね。
一方、タコ足とディーゼルでこぶしをガンガンに利かせるマツダCX−5は、日本で一番お金がある世代に、ヒットするような予感がしています。