2011年、軽自動車ナンバーワン・メーカーはどっちだ?

2011年の販売・生産速報が各メーカーから続々と発表されています。

 

そこで、その数字を並べて2011暦年での軽自動車(届出車)販売ランキングを整理してみれば、以下の通り。

 

ダイハツ 販売=545,178(生産=577,220)
スズキ 販売=476,138
日産 販売=145,432
ホンダ 販売=125,018
三菱自工 販売=92,662
富士重工 販売=84,896(生産=58,788)
マツダ 販売=45,488
トヨタ 販売=6,308

 

というわけで、トップに輝いたのはダイハツ工業。かつて軽ナンバーワンとうたっていたスズキは大きな差を付けられています……が、このランキングを生産ベースで見直してみると意外な結果が見えてきそう。

 

というのは、軽自動車というのはOEM供給が多く、そこまで考慮していくと、ダイハツとスズキの二強がさらにガチンコ対決状態になっているかも?

 

まずダイハツについては、軽自動車の生産台数が公表されていて、販売台数との差は約3.2万台。ダイハツはスバルとトヨタにOEM供給していて、スバルの自社生産分と販売の差と(約2.6万台)とトヨタの販売分を足すと、ちょうどその数字になります。

 

つまり、ダイハツが2011年に生産した軽自動車は57.7万台ということ。

 

一方、スズキはマツダと日産にOEM供給していますが、マツダは全台数なものの、日産には三菱自工もOEMしているので、その内訳を見る必要があります。

 

そこで、軽自動車協会連合会のデータで日産・軽自動車の内訳を確認。

モコ(スズキ):61766台

オッティ(三菱):7974台

ピノ(スズキ):55台

クリッパーリオ(三菱):1177台

キックス(三菱):1688台

ルークス(スズキ):49548台

クリッパーバン(三菱):15150台

クリッパートラック(三菱):8075台

 

計算すると、76.5%がスズキからのOEM。

 

そして、日産のスズキOEM分と、全量がスズキOEMのマツダ分と、スズキの自社販売台数を合計すると63.2万台。これが2011暦年におけるスズキの軽自動車生産台数とみてよいでしょう。つまりダイハツよりも約5.5万台ほど多いというわけ。

 

販売ベースではダイハツ、生産ベースではスズキ。それが2011年の軽ナンバーワン、というわけです。

 

2012年はホンダが軽自動車の倍増を狙ってくると宣言していますから、こうした勢力図にどんな変化が出てくるのでしょうか。

 

 

ところで逆算すると、スズキの軽自動車生産におけるOEM比率というのは25%。ラインを流れる4台に1台は他社エンブレムをつけていると思うと、けっこう凄いことでは?

 

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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