装備の充実化や安全性向上を図る新車の宿命は、重くなってしまうことです。新型スイフトスポーツも例に漏れず、5速から6速になったMTやESPなどの安全装備の追加でグッとウエイトオーバーになるはずでしたが、そこはかつて「1部品、1g軽量化運動」を繰り広げたスズキですから、今回も各担当部署に軽量化の厳命が下りました。
プレスリリースには「高張力鋼板の採用、ホイール・タイヤ・ブレーキなどのバネ下重量の軽量化などにより約10kg」の軽量化を果たしたとありますが、ここで大きかったのはリヤブレーキの軽量化。
また、シート設計担当者によると、前席で1.5kg、後席で1.8kgの軽量化により運動性能と燃費性能の向上の積み重ねに貢献したそうです。シートが軽くなると、コーナーなどで横Gがかかった際のシートへの負担(荷重)が半減し、結果的により安定した運転姿勢を取れるなどの利点もあります。スイフトスポーツの前席は、座面に低反発枕のような振動吸収ウレタンを使い、サイドサポート部の中にパイプを入れるなど、ホールド性の向上を果たしています。なお、ウレタンなどシート素材の原料は、新型インプレッサと同じだそうで、「インプレッサの座り心地はどうでしたか?」と担当者から逆取材されました。
(塚田勝弘)