リーフのバッテリーに太陽光発電で作った電気を日産本社で貯めています

日産リーフと急速充電器
日産リーフと急速充電器

先日お伝えした日産とフォーアールエナジー社が共同で行う太陽光発電とリチウムイオンバッテリーを組み合わせたEV充電システムの実証実験ですが、詳細な写真を入手いたしましたので続報をお知らせいたします。

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日産グローバル本社5階屋上の太陽光発電パネル
日産グローバル本社5階屋上の太陽光発電パネル

この実証実験、横浜にある日産グローバル本社ビルの5階屋上に設置された太陽光発電パネルで発電した電気を4階に設置されたリチウムイオンバッテリー盤内のバッテリーに蓄電し、いつでも天候に左右されずに電気自動車を充電できると言うことを実証するもの。

 

日産グローバル本社5階屋上の太陽光発電パネル
日産グローバル本社5階屋上の太陽光発電パネル

そこに用意される太陽光発電パネルがとてつもなくデカイ。なんと40kwの発電容量!リーフ1台分の急速充電が余裕でできるという凄さ。一般家庭なら8世帯は電気をまかなえちゃいます。

しかし、40kwがフルで発電できるのはすごく晴れた天候での昼間の時間帯だけの話。日照時間が10時間あったとして400kwhが発電できるのか?と考えがちですが、最初の3時間とラストの3時間は光量が不足し、またもちろん雨が降れば発電量がゼロではないにしろ、規定値には到底届かないので、1年間の平均的に考えれば一日あたり120kwhが精一杯。

せっかく作った120kwhの電気も使わなければ無に帰しますし、夜になれば無かったことになる。それではあまりにももったいない、というか実用性が皆無に等しく、ここでリチウムイオン電池に貯めこんでおこう、ということになるのです。

 

リチウムイオン電池盤
リチウムイオン電池盤

太陽光発電で作った電気を貯めこむリチウムイオン電池はリーフに使われているものと同じものを使用します。それも4台分の96kwhの大容量。まぁ発電量の2割は貯めておかなくても消費するだろうということでこの容量になっているのだろうなと思います。

 

車載とほぼ同じパッケージに見えるリチウムイオン電池モジュール
車載とほぼ同じパッケージに見えるリチウムイオン電池モジュール

このリチウムイオン電池に貯めこんでおけば夜間でも雨天でも充電が出来る、ということなのです。

正直な話、太陽光発電は発電時間がごく限られてしまうため、リチウムイオン電池などに一度貯めこんでから使わないと全く実用になりません。太陽光発電で得た電気は使わなければその場で消えてしまうものなのです。この場合のリチウムイオン電池の役割を二次電池といますが、二次電池のことまできちんと考えないと再生可能エネルギーは議論の俎上にすら上らないもの。だからこそリチウムイオン電池で貯めこんでおくという今回の実証実験が大きな意味を持つのです。

そして、この先の何年か後にリーフが廃車になった場合も中古の電池の活用法としてこのシステムは大きく生きてくることでしょう。

(北森涼介)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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