プリウスαがプリウスに負けていて気になる3項目

どっちを買おうか悩んでいる人もきっと多いんでしょうね、話題の「プリウスα」と定番「プリウス」。

巷には7人乗れるとかラゲッジスペースが広いとか走りがしっとりしているとか「プリウスαの優れた部分」についてのレポートは星に数ほどあるので、ここではあえて「プリウスαがプリウスに負けている部分」について書いてみましょう。

①価格が高い
205万円から用意しているプリウスに対し、プリウスαはベーシックグレードでも235万円。30万円という価格差は、500円のランチなら600食分に相当する大金(笑)。注目の7人乗りはなんと280万円で、これならウイッシュの最上級グレード(248万円)を買ったほうがガソリン代も含めたトータルコストは安く上がりそうですね。っていうか、一般的な人なら間違いなく安いです。

②燃費が悪い
プリウスの10・15モード燃費が35.5~38.0km/Lなのに対し、プリウスαは31.0km/Lです。車体も重いですし、ローギヤード化されているのでこれは仕方ありませんね。

③「ツーリングセレクション」でもクイックさはない
試乗していちばんの驚きがこれでした。プリウスの「ツーリングセレクション」はステアリング操作に対してクイックに動く味付けですが、プリウスαの「ツーリングセレクション」は味付けがかなり違う。スポーティにクルマを走らせたい人は、「ツーリングセレクション」という名前に騙されちゃいけません。

 

とはいえ、上記3点以外でプリウスαがプリウスに劣っている部分はちょっと見当たらないというのが実際に乗ってみての印象です。

走りに関して言えば、スロットル設定の違いなどによりプリウスαのほうがリニアに加速しますし、17インチタイヤ仕様車なら乗り心地も良好。燃費さえ良ければあとはどうでもいいという「燃費命」の人ならプリウス以外に選択肢はありませんが、それ以外の人にはプリウスαのほうがいいと思います。クルマって燃費がよければ絶対的正義というわけでもありませんからね。

(工藤貴宏)

 

この記事の著者

工藤貴宏 近影

工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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