台湾のショーでは半分が電動2輪車だが実態にはまだまだ不満足!

エコで省エネという観点から、電動スクーターが脚光を浴びています。ではそんな電動スクーターのポテンシャルはどれほどなのか? 今まで多くの電動スクーターに試乗してきた私の感想としては、

まだまだ満足する電動スクーターは少ない

という一言に尽きます。

台湾のモーターサイクルショーでもたくさんの電動スクーターが試乗できましたが、残念ながら「これだ!」というほどの完成度を持った電動スクーターはありませんでした。

ではなにが満足できないのか? 満足できない電動スクーターには複数の不満足ポイントがありますが、まずは車体と車重、操安性のバランスが悪いものが圧倒的多数を占めていることです。一般的なスクーターのような形状を持った電動スクーターの場合は、そのほとんどがこの例に該当すると言っても過言ではないほど、乗ると違和感を感じてしまうのです。

ただし、満足できる電動スクーターもあります。ヤマハ発動機のEC03は電動スクーターならではの専用デザインで、タイヤの太さやフレーム、足周りやブレーキなど、すべてのバランスが良好に仕上がっています。

ちなみにホンダなどがいまだに電動スクーターを一般販売していないあたりも、電動スクーターマーケットがまだ熟成していないという判断からなのかもしれません。というのも、やはりバッテリーの後続距離や充電時間に制約があるため、一定以下の近距離の移動の繰り返しなどには有効ですが、長距離や中距離を連続して走行する場合などには不安が残るからです。

というワケで、日進月歩で開発が進むバッテリーの進化とともに、確実に電動スクーターの性能は向上していくことが容易に想像できますので、これからの進化を注目していきたいカテゴリーというワケです。

台湾のモーターサイクルショーでも、電動スクーターの出展エリアは拡大を続けており、今年のショーでは全体の半分近くのスペースに、多くのメーカーが出展されていたほどですから。

(千輪 毅)