リチウムイオンバッテリーの意外と知らない弱点は?【プリウスαに乗りました】

今、注文しても、来年4月以降に納車となりそうなプリウスαです。

その生産台数に大きく影響するリチウムイオンバッテリーですが、現在の生産量は月産1000台程度で、だんだんと増やしていき、ゆくゆくは倍の2000台規模を目指しているそうです。言い換えると月産2000台がプリウスα7人乗りの生産台数にもなるわけです。

トヨタとしても、本格的な量産車に初めて採用したリチウムイオンバッテリーですが、新車時の性能がどれほど維持されていくのか、気になるところです。

そのあたりを、電池材料技術部電池評価解析室グループ長の駒月正人さんにお聞きしました。

「およそ10年くらいかけて、約2割くらいバッテリー容量が下がっていくと言われています。もちろん、使い方によって大きく変わってきますが」とのこと。それじゃ、長持ちさせるような使い方ってあるのか、きになるところ。

「リチウムイオン電池は、外気温が高い状態に放置するのが劣化に対して良くないことです。充放電中は、ファンを回すなどして温度をある程度コントロールできますけど、停車している状態ではなにもできません。それなのに、一般的にクルマは停めている時間が非常に長いんです。炎天下に長く置いておくような保管より、屋根付きのガレージに置いておくほうが、バッテリーの寿命は延びると考えられます」

へー、なるほど。確かに化学変化は温度が高くなると活発になるんで、温度が高い場所に置いてると、劣化が進むワケですね。

というわけで、プリウスαに限らず、電気自動車など電池を搭載する車両は、なるべく屋根付き、できれば地下車庫などに保管したほうがいいようです。

(小林和久)

 

この記事の著者

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編集長 小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務める。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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