5月19日に新型パサートが発売されました。新型パサートは1.4リットル直噴ターボにダウンサイズしたエンジンを採用することで、18.4㎞/Lの10・15モード燃費を達成するなど、エコ性能の高さがウリになっています。
そして価格も先代の最終モデルよりも20万円程度安い、324万円(ヴァリアントは346万円)からの価格帯を実現しています。さらに新型には全車にアイドリングストップやドライバー疲労検知システムを標準装備するなど、装備面もグレードアップされています。その上、新型パサートは全車が75%のエコカー減税に対応しているのも魅力です。
同じようなボディサイズのアウディA4が100万円以上高いことを考えると、かなりリーズナブルな印象があります。もちろんアウディA4やベンツのCクラスなどはナビが標準装備で付いていたりと、装備の違いはあるのですが、新型パサートの価格は車格からして激安といえるでしょう。
新型パサートがここまで安くできた理由は、主にパワートレインのチョイスにあるようです。新型パサートのエンジンは1.4リットルの直噴ターボで122PS/20.4㎏-mという控えめなスペック。ゴルフにもこのエンジンは採用されていますが、下から2番目のグレードに搭載されているので、比較的ベーシックなユニットといえるでしょう。
このエンジンでも2リットルなみの最大トルクを1500rpmから発生してくれるので問題はないと思われますが、パサートの場合はボディが大きいので、このエンジンのチョイスは意外な感じでした。ちなみに従来型のベースグレードは160PS/25.5㎏-mの1.8リットルターボだったので、スペック的にはだいぶ抑えられた感じです。
さらに新型パサートには、このエンジン1種類しか設定されていないのもポイント。設定エンジンを少なくすれば、それだけ日本に導入する際の試験や認可にかかるコスト、補修部品のストックなどを減らすことができるので、コストダウンにも貢献してくれます。ちなみに従来型は導入当初から3タイプのエンジンが設定されていました。
最近はミドルサイズの輸入車でもエンジンパワーよりも燃費や税金などの経済性を重視する人が増えているので、このコストパフォーマンスの高いパワートレインのチョイスは成功するでしょう。
(岡島裕二)