土屋圭市審査員長、稲田大二郎審査員が退任したことで、注目されていた2011年のD1GPの審査団ですが、神本寿、山路慎一、飯田章、山田英二、川﨑隆介(敬称略)の5名に決まりました。
神本氏は、以前からの留任、山路氏も2009年にD1審査員の経験がありますが、そのほかの3人はこれまでD1GPにはほとんどたずさわっていないひとたちです。また、神本氏、川﨑氏をのぞく3人は、ドリフト畑でなく、レース畑の出身です。
そういうこともあって、評価の基準はいままでよりばらけることが予想されます。採点競技のばあい、あるていど評価がばらけることはあたりまえです。そのうえで、より多くの審査員から評価された選手が高得点をとるということになるので、原則的にはむしろ一般のファンから見ても納得がいくものになるはずです。しかし、あまりにも評価基準がばらけると、選手はなにをねらって走ればいいのかがわからなくなります。どういう走りが評価されるかを選手がわかったうえで走ってもらわないと、正当に技術を評価することができません。そういう意味で、評価がどれくらいばらけるかは、新しい審査団がうまくいくかどうかの大きなポイントになりそうです。
ただ、今年からは、5人の評価のなかで、もっとも平均から離れた採点を除いた、残りの審査員の平均点を採用するという方法もはじまります。これがうまく作用すれば、不自然な採点はあまり出てこないかもしれません。審査システムに関していえば、まちがいなくこれまでより理にかなったものになったといえるのではないでしょうか。
(まめ蔵)