ベテランをなめんなよ!! 『枯れ葉マーク』から『クローバー型マーク』に切り替えても、問題の本質は変わっていない

どんな仕事でも、経験を積んだベテランはとても大切な存在ですよね。熟練の技と卓越した勘を駆使することで、脂がのった中堅社員でさえクリアできないことを、とても簡単にこなします。職人や匠の世界ほど、高齢者が活躍する場面が多い傾向がありますね。

ところが、クルマの世界ではどうでしょう? 2008年6月の道交法改正で、75歳以上の高齢運転者に『もみじマーク』の表示が義務化されました。しかも反則金4000円+違反点数1点という罰則付きでしたから、まさに道路上の「高齢者冷遇」でした。

もみじマーク(右)は『枯れ葉マーク』とも揶揄され、「高齢者を差別するものだ」との反対する声が噴出。警察庁は“義務化”を撤回した経緯があります。

よく考えてみれば、運転技術がまだ未熟な初心者に義務づけされている『若葉マーク』は周囲が保護する効果もあってその必要性を感じますが、そもそも「75歳以上は一律で義務化」というのがおかしいですね。

現在は70歳以上のドライバーを対象に、“義務”ではなく“努力義務”が継続されていますが、この2月から新たに採用されたのが『クローバー型マーク』(写真上)です。もみじマークと比べると、デザインには爽やかさがありますね。

これまでのもみじマークも当面は使用可能とのことですが、オートバックスはプライベートブランド商品として「高齢運転者標識マグネットタイプ/1枚入り」を2月1日に発売しました。価格は680円(税込)です。

運転の基本と言われる「認知」「判断」「操作」に必要とされる、視力や聴力、判断力・反射神経、筋力が衰える時期というのは人それぞれですから、対象者が自身で判断すればいいと思います。

この問題の本質は「高齢運転者を識別するマークを付ける」ところにあり、デザインを変えれば済むわけではありません。実際、50〜60代でも「?」と思うほど危ない運転をする人はいますし、年齢で区切ること自体が不可思議です。

ある友人はペーパードライバーなので、自身の判断で『若葉マーク』を付けて走っています。まぁ、お守り感覚で付けているんでしょうけど。

警察庁はしばらく義務化せず、「いずれは義務化」の様子を伺っている感じでしょうが、はっきり言います。義務化は反対です!!

(南風よしお clicccar編集部)