すでにYou Tubeなどでトヨタによるティザーキャンペーンが敷かれていた噂のプリウスのステーションワゴン、プリウスVがデトロイトショーで発表されました。アメリカでの発売は2011年の夏以降となる模様です。Vの示すのはVersatilityつまり、汎用性を意味しマルチユースの魅力を加えたプリウスということです。
しかし一見すると、プリウスはリヤデッキがもともと高いので、“V”といってもあまり変わらないのでは? と思ってしまいますが、実際には室内空間はこれまでのプリウスから50%以上拡大されているんだそうです。
プリウスらしさを大切にしたということで、デザイン手法の巧みさによるものでもあるかもしれません。それでも現行のプリウスとプリウスVを比較してみるとかなり違うことに気が付きます。
たんに大きなリアゲートができたのではなく、フロントフェンダーにいたるまで形状が異なるのがわかるでしょうか? 基本的に全高を高めたパッケージであるわけですが、それ以上にプリウス発表以後の空力に対するトヨタの進化がこのカタチに表現されているようです。
プリウスV(デトロイトショー発表モデル)
プリウス(US仕様,現行モデル)
ボンネットのセンターを高めた造形や、フロントバンパーは下端を後退させています。そして最大の特徴はルーフ後端のゲート付近で、プリウスらしさを表現するサイドウィンドウラインを維持しながら、ルーフサイドはその造形に沿うように下がっています。ただし、荷室容量を確保するためにセンター部分ではルーフを水平ぎみに伸ばしていますが、ルーフスポイラーは、センター部分を極端に下向きにしてリアゲート後部に発生する負圧部分をできるだけ少なくするように空気の流れを作っています。
空気抵抗係数(Cd)は0.25から0.29と大きい数値になっていますが、荷室拡大だけでなくリヤドア上部を大きくして乗降性を高め、またリヤシートの頭上空間の広さを確保するなど実用面でも魅力的なカタチになっています。
プリウスV写真
(MATSUNAGA, Hironobu)