フィット・ハイブリッドが新しく見える理由

マイナーチェンジ後に登場したフィット・ハイブリッド

発表当初のフィット

正確にいうとマイナーチェンジなのに、フィット・ハイブリッドは新しいクルマに見えると思いませんか? もちろんバンパーやグリルも変わっているし、あの強烈なきみどり色のイメージカラーはこれまでにない色で、新しさを感じさせます。でも実はフィット・ハイブリッドが新しく見えるのは、それだけじゃないんです。  その答えは、空力特性の改善にあったのです。マイナーチェンジの大きな狙いのなかにハイブリッドなどをラインナップに加えることに併せて、基本ボディの空気抵抗の改善があったのです。全体の燃費の底上げという点でも、それは全車的な流れにもなっています。フィットでは特にボディサイドの空気の流れを意識し、フロントフェンダーの造形を見直しているのです。フロントバンパーのサイドにフラットな面を多くして整流することで、それ以降の流れをきれいにすることを狙っているのですが、そのためにはバンパー形状だけでなく、フェンダーの造形も変更しなければいけなかったようです。 マイナーチェンジ前のフィットのヘッドライトは、フェンダーと干渉する下端部がかっちりと角ばった造形となっているのですが、そのカタチでは新しいフェンダー面とはうまくバランスしないのがわかります。そこで、ライト下端をメインにライトのラインに柔らかなRをつけているのがマイナーチェンジ後の造形なのです。


マイナーチェンジ後の新しいフィットは、ライトの外側ややわらかい形状です。フェンダー造形の違いにも注目です。マイナ-チェンジ前のフィットのヘッドライトは外側の角が角ばっています。

人の感覚としては、ヘッドライトを人間の目として捉えがちですが、この目尻のわずかな違いは、大きな違いとして印象づけられたようです。ですから、フィット・ハイブリッドが新しいクルマに感じされるのは、まったくの気のせいではないのです。マイナーチェンジ前のモデルとのわずかな違いが、印象の違いとして感じ取られたということなのでした。 

(MATSUNAGA, Hironobu)