次のインプレッサは“普通のクルマ”になります!?

スバルが開催した国内メディア向けの「海外モーターショー出展車両の展示会」で、次世代のインプレッサを見てきました。4月の2011年ニューヨーク国際自動車ショーで公開されていたので、すでに知っている人も多いことでしょう。

僕たちに披露されたのは生産ラインで作ったというクルマ。試作車ではありません。しかも3月11日の震災後に生産したとか。つまり、市販に向けて準備はかなり整っているようです。

 

説明された新型インプレッサの特徴をざっくりと紹介しましょう。

●全長と全幅は従来型そのまま。ただしホイールベースを25mm拡大、Aピラーの位置を200mm前進させることで広々とした室内を実現。

●エンジンは昨年秋に刷新した2リッターのFB型水平対向エンジンを搭載。

●CVTを新開発するなどして、従来比約30%もの燃費向上を実現。北米市場ではAWDとしてトップクラスの燃費。

室内が広くなって燃費が向上した。進化といえば進化ですが、はっきりとした狙いが分かりにくいですよね。そこで、開発を進めたスバル商品企画本部プロジェクトゼネラルマネージャーの竹内明英さんに話を聞いてみました。

新しいインプレッサは、どこを目指しているのですか? と。

その答えは「スバルの作る普通のクルマと見てほしい」というものでした。

つまり、WRCに参戦する超高性能スポーツカーではなく、普通の「良いクルマ」を目指したというのです。WRCのベースカーという特殊なものではなく、Cセグメントの主戦場で吟味される普通のクルマという意味です。従来はSTIモデルやターボ付きのイメージが強すぎて、NAモデルはインプレッサとしては基本以下と捉えられることが多かったでしょう。それを是正して、素のインプレッサで勝負したいというわけです。

では、そんな素のインプレッサは魅力的なのでしょうか?

それに関してスバルはかなり強気のようです。AWDならではの安心感、故障の少ない信頼感の高さ、運転する楽しさという意味で、北米市場で強い支持を得た感触があるようなのです。その自信があるからこそ、素のインプレッサで勝負する気になったのではないでしょうか。

ちなみに「新しいインプレッサの顔は、知らない人が見たらレガシィと勘違いするかもしれませんよ?」と聞いたところ。スバルは「それはそれでよい」と応えてくれました。これもスバルの戦略なのですね。レガシィを大きくして上級マーケットを開拓。これまでレガシィが担ってきた顧客はインプレッサに任せるという狙い。

スバルの普通のクルマ「新型インプレッサ」はどれほどなのか? はやくハンドルを握りたいですね。

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(鈴木ケンイチ)