【オートモーティブ ワールド2019】グローバルサプライヤーのボルグワーナーが描くハイブリッド、EV戦略とは?

●電動化の進展をビジネスチャンスに。ボルグワーナーが今後の戦略を公開

2019年1月16日から18日まで、東京ビッグサイトで開催されている「オートモーティブ ワールド2019」の「第10回 EV・HEV駆動システム技術展」に出展しているボルグワーナー。副社長兼マーケティング・広報 政府渉外担当のスコットD.ジレット氏らによりメディア・ラウンドテーブルが初開催されました。

アメリカの大手サプライヤーの同社は、トランスミッションやモーター、可変バルブタイミング機構などで知られ、同展覧会への出展を機に日本のメディアに向けて今後の戦略などを披露しました。

ボルグワーナーは、世界18カ国、66拠点を構えるグローバル企業であり、日本では三重県名張市、伊賀市の工場で四輪タイミングシステム、チェーン、サイレントチェーンなどを生産しています。なお、日本の自動車メーカー、オートバイメーカーのすべてと取引実績があるそう。

世界中の顧客に対して、地域やユーザーニーズに応じながら事業展開しているのが特徴で、グローバルの比率を地域ごとに見ていくと、欧州は38%、米州が34%、中国が16%、アジア(中国をのぞく)は12%。日本の比率は低いように感じますが、具体的な数値に関してはコメントを避けながらも今後増えていくことは間違いないとしています。

ボルグワーナーもハイブリッド、EVなどの電動化社会に対応すべく、内燃機関で磨いた技術や製品を活かしながら、ハイブリッドやEVなどに対応するとしています。なお、内燃機関には、三重県でも生産されているエンジンタイミングシステムのほか、可変バルブトレインシステム、トランスミッション技術など、数多くの技術ソリューションを用意。

同社では、ハイブリッド向けとしては、P0〜PS(モータージェネレーターの位置)という現在の5つのハイブリッドすべてに対応。

P0(HV BISG・ベルト一体型スタータジェネレーター)、P1(HV ISG)、P2(HV On-Axis、48V/HV Off-Avis)、P3(48V/HV MGU・モータージェネレーター)、P4(HV eAWD、48V eAWD)、PS(パワースピリット)のハイブリッドアーキテクチャを揃えるほか、パワーエレクトロニクス、サーマルマネジメント、電気ブースティング技術などを展開しています。

さらに、EVでは、EVトランスミッション、モーター、電気駆動モジュール、パワーエレクトロニクス、キャビン/バッテリーヒーター、バッテリー充電器などほぼすべての電気推進分野をカバー。そのほか、電動化が進む商用車技術も提供しています。

同社では、電動化が進むことにより、収益機会が加速するチャンスと捉えていて、2023年度の市場シェアにおける乗用車1台当たりの平均売上高予測を、内燃機関が$210、ハイブリッド車が$275、電気自動車が$340としています。同社の主力製品といえば、ターボというイメージが強いですが、ハイブリッドにもターボなどの過給器は不可欠で、ほかの製品も含めて成長できるとしています。

「第10回 EV・HEV駆動システム技術展」には、統合ドライブモジュールの「iDM」、P2オンアクシスハイブリッドモジュール、バッテリーやキャビンヒーターなどのサーマルマネジメントコンポーネントなどの先進技術を出展しています。

(文/写真 塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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