ジュネーブショーで発表されたx1 xDrive28i、3L6気筒エンジンに代わり2L4気筒ターボを搭載。
オートモビル・ニュース・ヨーロッパ http://www.autonews.com/ によれば、BMWは次世代のMINIや次世代のコンバクトBMW(既報のFFモデルか?)向けに、3気筒エンジンを開発中とのことです。これまでBMWはツインパワー・ターボ(ツインスクロール・ターボとツインターボ)技術によって、エンジンのダウンシジングを進めていますが、より本格的な小型化に進むのかもしれません。
その最初の動きとなったのは、ジュネーブモーターショーで発表されたBMW x1 xDrive28i です。これまでx1の上級モデルは直列6気筒の3リットルエンジンを搭載してきましたが、このモデルは新しいエンジンとしてガソリン2リットルのツインパワー・ターボ仕様を採用したのです。BMWではツイン・ターボとツインスクロール・ターボの両方の技術を持っていますが、こちらの採用されたのはツインスクロール・ターボのほう。
x1 xDrive28iのポテンシャルはNA3.5Lなみ。燃費も16%の向上を果たしているとのことです。
出力は180kW/350Nmといいますから、3リッターエンジンの160kW/280Nmを大きく上回ります。2リッターでありながら、3.5リッターなみのポテンシャルを発揮しているのです。またEU規格の平均燃費は7.9L/100km (12.7km/L)と、これまでよりも16パーセントの向上を図っているとのことです。
そして今回話題に出ている3気筒は、このツインパワー・ターボ技術の採用によって実用化されるというのです。
ところがちょっと待てよ、と思います。怒らくはツイン・ターボではなく、ツインスクロール・ターボ技術の応用なのでしょうが、このツインスクロールとは、シングルターボを用いた特殊なターボ。排気側タービン室を2つに分けて、各気筒からの排気の干渉がないようにシリンダーを振り分ける構造なのです。
ところが3気筒だとどうなるのでしょうか? 夜も眠れなくなりそうです。
ところで、この3気筒エンジンは前述のとおりMINIやFFのBMWに採用されるとのことで、横置と見るのが順当でしょう。これは全幅が同程度ならば、フロントサスペンションの構造に余裕をもたらすことができると見ることもできます。あるいはウルトラc級アイデアで、縦置きエンジン&横置きトランスミッションなんてことも考えられるかもしれません。
エンジンを小さくすることは、環境面でも大きく貢献しますが、実はパッケージに与える可能性も大きく変わってくるのだと思います。そんな点にも期待してみると、もっとワクワクしますね。
(MATSUNAGA Hironobu)