■2ドアバージョンは0-100km/h加速を3.2秒でクリア
2020年7月にドイツで発表された新型メルセデスAMG GTブラックシリーズは、メルセデスAMG GTの最上級モデル。価格は335,240ユーロ(約4147万円)からで、すでにオーダー可能になっています。
GTシリーズの新しいフラッグシップモデルの開発では、すべてのノウハウ、エンジニアリングが活かされているそうで、史上最もパワフルなAMG製4.0L V8ツインターボエンジンをはじめ、表現力豊かなエクステリアデザイン、最も洗練されたエアロダイナミクスをまとっています。さらに、最新素材の組み合わせや、最もハードなドライビングダイナミクスを備えています。
537kW(730ps)もの最高出力を誇るこの新しいスーパースポーツカーは、現行のレーシングカーAMG GT3から直接派生したデザインも特徴です。最も目を惹く「AMGマグマビーム」ペイントによる特別な仕上げは、AMG GTブラックシリーズ専用で、オプション設定されます。
●レーシングカー譲りのノウハウを投入
フラットクランクシャフトが採用された新しいV8エンジンは6700-6900rpmで537kW(730ps)の最高出力が炸裂し、2000-6000rpmで800Nmの最大トルクを発揮。それはメルセデスAMG GT Black Seriesが別格といえる存在なのがスペックからもうかがえます。
2ドアバージョンは、0-100km/h加速はわずか3.2秒、200km/hまでは9秒未満で到達し、最高速度は325km/hを誇っています。また、レーシングカーの「AMG GT3」や「AMG GT4」との類似性は、視覚的にも技術的にもこれまで以上に強くなっているそうです。新型のAMG GTレーシングカーでも採用されている、大型化された冷却エアインテークもその一例。
さらに、モータースポーツから直接派生したもうひとつの特徴は、黒く仕上げられたカーボン表面から作られた2つの大きな排気口を備えた、新しいカーボンファイバー製のボンネット。
大開口の排気口は、斜めに配置された冷却パックから供給される暖かい空気をエンジンルームの外に導きます。同技術により、全体的なダウンフォースが向上するのと同時に、空気抵抗が減少し、エンジン冷却のためのエアマスフローが最適化されます。
ほかにも、リヤアクスルの上部と下部のウィッシュボーンのベアリングもモータースポーツ譲りで、その設計は遊びがないことを意味し、高負荷がかかってもトーインとキャンバーが変化しないそう。
AMG GTブラックシリーズは正確なステアリングを可能にし、明確なステアリングフィードバックを提供することで、コーナリング性能も向上させています。
公道を走るモンスタースポーツといえそうな「メルセデスAMG GTブラックシリーズ」。世界の中でも重要な市場とされているメルセデスAMGですから導入されるか注目が集まりそう。
なお、2020年7月25日時点で、新型メルセデスAMG GTブラックシリーズの日本における詳細は、明らかにされていません。
(塚田勝弘)