■現行ジープ・ラングラー・アンリミテッドが先代から環境負荷低減できた要因を分析
FCAが環境負荷の継続的な取り組みの中で、最新の地球温暖化係数(GWP)分析を完了したと、2020年5月に明らかにしています。
現行ジープ・ラングラーの環境負荷を15%削減できたというタイトルで、これは、ジープ・ラングラー・アンリミテッドに2.0Lエンジンを搭載することなどで達成できた省燃費化の数値。
同社は、GWP(Global Warming Potential:地球温暖化係数)を同社が分析。地球温暖化係数は、CO2を基準に、ほかの温室効果ガスがどれくらい温暖化に影響を及ぼす(温暖化させるか)かという数値です。
現行のジープ・ラングラー・アンリミテッドは、最新技術が投入された2.0Lエンジンが搭載されていて、1台あたり14mt(メートルトン)の温室効果ガス削減効果が期待できるそう。現行ジープ・ラングラー・アンリミテッドの各モデルがライフサイクルに換算すると、7.7tの石炭を燃やした際に発生するCO2に相当する排出量を削減できる可能性があるといいます。
●エンジンのダウンサイジングやATの多段化、材料置換も燃費向上に貢献
2018年モデルのジープ・ラングラー・アンリミテッドと先代を比較すると、地球温暖化係数は15%低減。GWPの改善は、車両の設計、生産、オンロード性能に関する複数の要因を調査する業界標準のソフトウェアを使用して計算されたそう。
環境負荷の低減に貢献しているのは、2.0LダウンサイジングエンジンやATの多段化などのパワートレーンの進化、ボディなどに使われる素材の変更(材料置換)などで、ラングラー・アンリミテッドは、先代では68%だった鉄金属の含有率は54%にまで低下。
一方、軽量化と耐食性に寄与する非鉄金属の含有率は12%から20%に増加しています。また「TorqueFlite」と呼ばれるFCAの8速ATは、直列4気筒2.0Lターボと3.6LペンタスターV型6気筒のいずれとの組み合わせでも燃費性能を向上。
さらに2020年モデルの「ジープ・ラングラー・アンリミテッド」には、FCAのマイルドハイブリッド技術「eTorque」が搭載された2.0L直列4気筒が搭載される見込みとしています。また、引き続き、3.6L V6エンジンも設定され、米国などでは8ATのほか、6MTも選択できるとしています。
(塚田勝弘)