■日本唯一のクリーンエアーシステム専門メーカー・日本エアーテックと協業
新型コロナウイルスの感染者の搬送車両は、トヨタやホンダなどがすでに自治体や病院などに提供しています。
ドライバーが座る前席側と患者が乗る後席側の間に仕切りを設けたり、前方を陽圧、後方を陰圧とすることにより、後方の空気が前方に循環しないようにコントロール(前後席間の圧力差を利用)したりする対策が施されています。こうした専用車両を提供することで、医療従事者などをサポートするものです。
そんな中、トヨタカスタマイジング&ディベロップメントは、ストレッチャー取付式簡易アイソレーター(感染症患者搬送資機材)の「e capsule」を2020年6月1日に発売します。同社は、トヨタの用品事業やモータースポーツ事業だけでなく、救急車や道路パトロールカーなどを手がける特装事業も主力事業の1つとしています。
「e capsule」は、トヨタカスタマイジング&ディベロップメントと、日本で唯一のクリーンエアーシステム専門メーカーである日本エアーテックとの協業によるもの。日本エアーテックは、病院や研究所内など向けに、インフルエンザなどの病原菌による感染防止を目的とした感染症対策機器を多数用意するメーカーです。
今回発売される「e capsule」は、手持ちのストレッチャーに簡単に取付が可能で、感染者を収容するビニールカバーを単回限りの使用とすることで、二次感染リスク低減させます。さらに、より高い集塵性能を有する「ULPAフィルター」も装備されています。
また、換気に必要な電源供給は入手が容易な乾電池式(単2型アルカリ乾電池×8本)で、車両収容後はAC100V/DC12Vにて運用できるため、特別に電源を確保する必要もありません。さらに、世界的な生産、物流停滞に左右されにくい国内生産になっていて、安定的な供給を可能だそう。重量は約12kg(ストレッチャー、アンダーキャリッジ除く)。
救急車などの特装車を手がけるトヨタカスタマイジング&ディベロップメントと、日本エアーテックが協業して生まれた「e capsule」は、新型コロナウイルスなどの感染者移送時のリスクを低減する簡易アイソレーターで、医療従事者などをサポートします。
(塚田勝弘)