新型メルセデス・ベンツGLSが発売開始。価格は12,630,000円〜16,690,000円【新車】

■最新装備を満載した「SUVのSクラス」

2020年3月23日、メルセデス・ベンツの新型GLSが日本で発表されました。同モデルは、2019年のニューヨークモーターショーで初公開された最上級SUVで「SUVのSクラス」という位置づけになります。

納車は「GLS 400 d 4MATIC」が同日から、「GLS 580 4MATIC スポーツ (ISG搭載モデル)」(以下、GLS 580 4MATIC スポーツ)は2020年6月以降の予定になっています。

メルセデス・ベンツ GLS
メルセデス・ベンツGLSが日本デビュー

2006年から2016年まで「GL」と名乗っていた世代も含めて、今回で3世代目になる新型GLSは内・外装デザインを一新し、最新技術と装備が搭載されています。

メルセデス・ベンツ GLS
メルセデス・ベンツGLS(GLS 400 d)のリヤビュー

■本格SUVらしいタフなエクステリア、ラグジュアリーなインテリアが特徴

エクステリアは、メルセデス・ベンツのデザイン思想である「Sensual Purity(官能的純粋)」により仕立てられていて、細かなエッジやラインを減らして面を強調するなど、本質的に重要なものだけを残す質実剛健なデザインが特徴。また、現代的なラグジュアリーと本格SUVならではの力強さを両立させたとしています。

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メルセデス・ベンツGLS(GLS 400 d)のフロントビュー

一方のインテリアは、ラグジュアリーでエレガントなデザインと「MBUX」の高度なデジタル技術がトピックス。ダッシュボードには「12.3インチワイドディスプレイ」と「12.3 インチコックピットディスプレイ」が装備され、1枚のガラスカバーで融合することで、ドアパネルまで流れるような先進的なデザインになっています。

メルセデス・ベンツ GLS
メルセデス・ベンツGLSのインパネ

室内スペースとラゲッジも拡大しています。ホイールベースが大きく延長(先代モデル比60mm増)され、居住性と積載性が向上。とくにセカンドシートには、電動シートバックによる前後スライド機能が採用されていて、最も後方にスライドさせることでレッグルームが87mm拡大するほか、乗降性も向上。「40:20:40」の分割可倒式バックレストや左右ヘッドレストの高さの調整は電動式になっています。

全モデル標準装備のサードシート(2人掛け)は可倒式でありながら、身長194cmの乗員まで対応する本格的なもので、フレキシブルなシートアレンジが可能なほか、専用のUSB充電ポートも備えています。

メルセデス・ベンツ GLS
メルセデス・ベンツGLSのサードシート

また、空調は前席左右、セカンドシート左右、サードシートの空調を独立して調整できる5ゾーンクライメートコントロールとシートヒーターも標準装備。全ての乗員に快適な空調環境を提供するとしています。

ラインアップは、スムーズかつ静粛性に優れた直列6気筒クリーンディーゼルエンジン搭載の「GLS 400 d 4MATIC」、V型8気筒ガソリンエンジンとの組み合わせでは日本初導入になる「ISG」が搭載された「GLS 580 4MATIC スポーツ」を設定。

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メルセデス・ベンツGLSのラゲッジスペース

ラゲッジスペースも拡大しています。サードシート使用時の荷室容量は470Lで、2列目と3列目シートを倒すと最大2,400Lまで広がります。また、トランクスルーで積み込める横幅が72mm拡大されたことで、長尺物もより簡単に積載できるようになったそう。また、スイッチ操作によりリヤの車高が約50mm下がり、よりスムーズな荷物の積み下ろしが可能になっています。

また、乗り降りでドアを閉める際に、少ない力でも確実に閉まる「ドアクロージングサポーター」をGLSとして初採用。「GLS 580 4MATIC スポーツ」にはオプションとして、セカンドシート左右のリラクゼーション機能やシートベンチレーター、ヘッドレストクッションなどを追加する「ショーファーパッケージ」が新たに設定されています。

■「ADS PLUS」が搭載された AIRMATIC サスペンションを標準装備

加えて、「エナジャイジング コンフォート」も全車に標準装備されています。各種ヒーターやパフューム アトマイザー、シート設定、照明、音楽などのシステムを統合的にコントロールして快適性を高める装備。「リフレッシュ」や「バイタリティー」「トレーニング」の3プログラムから選択することができます。

さらに、「エナジャイジング コーチ」機能を使用すると、高度なアルゴリズムに基づき走行時間等を加味したうえで、さらに Garmin製スマートウォッチを装着すると、ドライバーのストレスレベルや睡眠の質などの個人データも活用し、運転手をサポートするモードを提案。また、シートクッションとバックレストのわずかな動きにより、着座姿勢の変更を サポートする「エナジャイジングシートキネティクス」が装備されます。 ほかにも、テレマティクスサービスの「Mercedes me connect」、最新のインテリジェントドライブを用意。

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3.0L直列6気筒ディーゼルターボエンジンの「OM656」

「GLS 400 d 4MATIC」には、最高出力330PS(243kW)・最大トルク700Nmに達する3.0Lの直列6気筒ディーゼルターボエンジンの「OM656」を搭載。同エンジンは、同社のクリーンディーゼルエンジンの中で最高水準の出力を誇ります。2ステージターボ チャージャーが搭載され、小さいタービンにはさらに可変タービンジオメトリーを採用。低回転域から高回転域まで全域でトルクフルな加速を可能にしているほか、低振動で高い静粛性を実現したとしています。

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新型4.0L V型8気筒直噴ツインターボエンジンの「M176」

「GLS 580 4MATIC スポーツ」のパワートレインは、新型4.0L V型8気筒直噴ツインターボエンジン「M176」との組み合わせで初となる「ISG(インテグレーテッド・ スターター・ジェネレーター)」「48V電気システム」などの新技術を搭載。同エンジンは、低負荷での走行の際に4気筒を休止することで、燃料消費量とCO2排出量を抑制。

エンジン単体でも最高出力 489PS(360kW)、最大トルク700Nmを発生させ、さらに、エンジンとトランスミッションの間に配置された、最高出力 22PS(16kW) 、最大トルク250Nmを発生するモーターISG と、48V電気システムにより、従来のハイブリッド車のような回生ブレーキによる発電を行い、約1kWhの容量のリチウムイオンバッテリーに充電されます。

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新型GLSのラゲッジスペース

組み合わされるトランスミッションは、「9G-TRONIC」と呼ばれる9速AT。1速から9速までの変速比幅が広いことから、エンジン回転数が大幅に低減され、 優れたエネルギー効率と快適性を実現しているそう。また駆動方式はAWDで、前後「100-0%」〜「0-100%」の連続可変のトルク配分を行うことで、オンロードとオフロードの性能をさらに高い レベルで両立させた新開発の「4MATIC」を採用。オフロード走行用のローレンジギアを備える「Off-Road エンジニアリングパッケージ」もオプション設定されています。

新型GLSのサスペンションは、「ADS PLUS(アダプティブ・ダンピング・システム プラス)」が搭載された、高性能型の AIRMATIC サスペンションを標準装備。高度に複雑なセンサー システムとアルゴリズムを用いて、減衰特性を路面の状態や走行条件にリアルタイム で適応させるものです。

コンポーネントはすべて先代より改良されていて、このうちサスペンションマウントには乗り心地を高める最適化が施されています。さらに、乗員や積み込んだ荷物の重量にかかわらず、常に一定の車高レベルを維持します。

メルセデス・ベンツ GLS
「ADS PLUS(アダプティブ・ダンピング・システム プラス)」が搭載された、高性能型の AIRMATIC サスペンションを標準装備

「GLS 580 4MATIC スポーツ」に標準装備される「E-ACTIVE BODY CONTROL」は、 凹凸の激しい路面を走行する際にはエネルギーの回収も行うことができます。ハイドロニューマチック(油圧空圧)装置によりダイナミックに変化する力を発生させてエアサスペンションが発生する力に重ね合わせ、加減速中やコーナリング中、不整路走行時などに車体をアクティブに支持、減衰するものになっています。

新型GLSの価格は、「GLS 400 d 4MATIC」が12,630,000 円、「GLS 580 4MATIC スポーツ (ISG 搭載モデル) 」が16,690,000 円です。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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