●『Patto』はスマホだけで物理キー不要になる新しいカーシェアリング
「すごいハイテク!」と「……と思ったら意外とローテク?」。カーシェアを使うと、そんな印象を持つことがありませんか?
現在のカーシェアで主流の使いかたのことです。発行されるカードをリヤウインドウあたりの読み取り機にかざすとロックが解除されます(ハイテク!)。そうやって、物理的なキーを共有しなくても、予約した会員だけが解錠できるようになっているんですね。
いっぽうで、それだけではエンジンはかけられません。そのうえでグローブボックスなどに入っている通常のキーを取り出して(意外とローテク!)エンジンをかけるというわけです。
2020年2月22日から大阪府豊中エリアでサービスが始まるカーシェア(まだ実証実験の段階ですが)『Patto』では、スマホだけで解錠もエンジン始動もできちゃうそうです。これは当サイト『clicccar』と最大のライバル関係にある(!?)自動車ニュースサイト『Response』を運営している株式会社イードが、デバイス開発と認証技術に強みを持つベンチャー企業・株式会社ジゴワッツと共同開発したものです。敵ながら天晴れ!(笑)
これ、システム的には、ジゴワッツの「key.bo/t」認証テクノロジーを利用した認証サーバとスマートフォンアプリ、Bluetooth LE通信器を内蔵したバーチャルキー専用車載器によって構成されるもので、単にスマホで解錠をするというだけでなく、スマホでクルマのスマートキー機能の代わりができてしまうというものです。
イモビライザーの解除までがスマートフォンでできるので、現在主流のカーシェアのようにグローブボックスの中にキーボックスを入れる必要がなくなります。その結果、事業者にとっては安全性が高まるというメリットがあります。またスマホでロック解除するための集中ドアロックへの改造は不要で、中古車リセールバリューが保たれるといったメリットがあるそうです。もちろんユーザーにとっては使いかたが簡便になっていいですよね。
また、このカーシェア『Patto』は「なめらか運転」「ふんわりアクセル」「加減速の少ない運転」「早めのアクセルオフ」「安心運転」「安全な走行速度」「定期休憩」の7項目で運転者の運転評価を行って、毎月、各項目により運転スコアを算出し、スコアごとに利用料金およびパックプランの料金が変動するというユニークな料金体系を採用しています。
たしかに事業者としては安全運転をしてくれるひとを優遇したいでしょうからね。
株式会社スマートバリュー、スズキ株式会社、丸紅株式会社の3社が提供するというこの『Patto』は、まず1年間だけ実証実験を行うそうです。
「普段使いができる気軽なクルマ」をコンセプトとして、急な雨や荷物の多いときなど、「今日クルマを利用したい。近くにクルマがあったらいいのにな」といった場面で使えるカーシェアとして、スズキアリーナ豊中や提携駐車場など大阪府豊中市周辺エリアにて展開します。
使うには事前に会員登録が必要です。『Patto』の詳しい情報は公式サイトへどうぞ。2020年3月31日23時59分までに会員登録をすると2時間分の無料クーポンがプレゼントされるキャンペーンも実施中です。
それにしても、スマホだけでこんなことができる時代が来るなんて10年前は予想できませんでしたね。スマホもまだ普及してなかったし。まさに激動の時代を見ているんだなという思いがあります。これは、clicccarを運営している『株式会社三栄』(筆者もOBです)もウカウカしてられませんな!
(まめ蔵)