●モデルSをベースにしたコンプリートカーの販売も行なうチューニングメーカーが日本上陸
一昔前の電気自動車(EV)のイメージというと、「市街地中心の短距離移動でのみ活躍」「加速はスムーズだけどスピードは控えめ」「充電インフラのハードルの高さから普及は難しい」だったと思います。
そんなイメージを根底から覆したのは、従来の自動車メーカーではなく、2003年にアメリカの起業家であるイーロン・マスク氏が設立したEV専門メーカー「テスラ・モーターズ」でした。
最初にロータス・エリーゼをベースにしたEV「ロードスター」を世に送り出し、EVでもドライビングを楽しめることを証明しました。
続いて動力性能とEVの課題である航続距離を改善・両立したサルーンカー「モデルS」、SUVタイプ「モデルX」を続け様に発表し、世界に衝撃を与えました。テスラはクルマだけではなく、充電インフラにもアイディアを駆使した製品を出し続けています。
テスラの影響もあってか、大手自動車メーカーやモータースポーツもEVに舵を切り出しています。
そんな自動車業界に電気ショックを与えたテスラのクルマ達、現在販売されている「モデルS」の最上級モデルではスーパーカーと遜色ない加速性能を備えています。そして日本でもデリバリーが始まったこのモデルSの弟分である「モデル3」も、同セグメントのクルマより高性能で長い航続距離を両立しています。
そして、いいクルマをより自分好みにカスタマイズしたくなるのは、ユーザーとして当然の感情だと思います。
UNPLUGGED Performance社は、2013年にテスラ専門のチューニングメーカーとして設立。モデルS以降のクルマ向けのアップグレードパーツを開発製造しています。
世界一のクルマ系Youtuber・Shmee150さんが同社を訪問した動画を公開しています。
ここで出てくるS-APEXとは、現在のテスラのフラッグシップモデルであるモデルSのコンプリートカーです。
今年の東京オートサロンに、最新のモデル3をベースにしたチューニングカーを出展しました。動力関係はノーマルですが、GTウィングのお陰でチューンドの雰囲気十分なシルエット。
今回展示の目的は、テスラの保有数が伸びつつある日本での展開を視野に入れたものだそうです。本国ではチューニングの一定需要があり、またこの高性能を安全に体感できるように「Tesla Corsa」というオーナー向けのサーキット走行レッスンを展開しています。
東京オートサロン終了後に筑波サーキットにてタイムアタックを行う予定とのことでしたが、結果が気になります。
徐々にEVでも今までのクルマと同じような楽しみ方、付き合い方ができる環境ができつつあります。これからポルシェ・タイカンをはじめ、走る楽しみがある電気自動車が増えていくなかでEVチューンド熱も高まっていくことでしょう。
日本の自動車メーカーでもスポーツEVが登場することを期待したいところです。
(文・写真:栗原 淳)