●ワゴンというよりちょっと長めの5ドアハッチバックな国内用ボディ
新型カローラ ツーリングは、国内専用のボディとシャシーを採用した新世代ワゴンです。
今回、1.8Lハイブリッド・FFの『ハイブリッドW×B(ダブルバイビー)』(279万9500円)に試乗することができましたのでご報告します。
外観はすでにヨーロッパで発売されていたワゴンモデルと同様……に見えますけれども、実はほぼすべての外板を日本専用としたオリジナルのものなんです。具体的には国内仕様は、日本の道路環境に合わせて全長と全幅がそれぞれコンパクトになっています。
例えば英国仕様(現地名カローラ ツーリング スポーツ)の全長は4650mm、全幅が1790mmとなります。
一方で日本仕様は全長が4495mm、全幅は1745mmです(全高は1460mm)。
実に全長で約15cm短く、幅でも5cm狭くしているのです。またホイールベースも2700mmに対して2640mmと、6cm短くなっています。
サイズが完全に変わっていますのでデザインも日本専用ということになります。全長が約4.5mと短いため、ワゴンというよりもちょっと長めの5ドアハッチバックのような形。非常にスポーティな外観が特徴です。
なおカローラ ツーリングは樹脂製バックドアを採用しています。このためスチールでは表現できないような凹凸を再現することができているのですが、これが全体のスポーティな印象をアップさせています。
安全装備及び運転支援システムに関しては、全車速追従機能付のレーダークルーズコントロールやブラインドスポットモニターなどを採用。最新の「トヨタセーフティセンス」の全車標準化というバリューある内容になっています。
インテリアではインストルメントパネルを薄くして、左右方向に伸びやかな造形としたのが特徴です。
また、ディスプレイオーディオと呼ばれるシステムを標準搭載しました。これはインパネ中央部の画面一式にオーディオ機能とスマホ連携機能を統合搭載したメカニズムのこと。
標準システムの状態でスマホとブルートゥース接続したLINEカーナビ等を使用することができるほか、有料オプション(3万3000円。フルセグTV機能込み)を入れることでアップル カープレイ/アンドロイド オート経由での地図ナビアプリを使うことも可能です。
ラゲッジルームは後席を使用した状態でも十分な広さがあります。通常時392Lですが、後席を倒せば802Lまで拡大します。
床のボードはセット位置を変えることでラゲッジルームの高さを2段階に調節することができるようになっています(ハイブリッド4WD車は1段式)。
今回チェックした車両に搭載されるエンジンは、排気量が1.8Lで最高出力は98ps/5200rpm、最大トルクは14.5kgm/3600rpmとなります。これに72psと16.6Kgmのスペックを持つモーターを組み合わせます。
ちなみにカローラ ツーリングには4WDモデルもあります。後輪の駆動を担うのは7.2ps/5.6Kgmのモーター。いわゆる「E-Four」システムとなっています。
ハイブリッドFF車のバッテリーはリチウムイオン電池ですが、同4WD車のバッテリーはニッケル水素電池となります。
シャシーはすでに定評あるTNGAプラットフォーム。この、フロントがストラットで、リヤがダブルウィッシュボーン式サスという基本フォーマットはプリウスやカローラスポーツなどでもおなじみのものですが、今回のカローラツーリング(と同時発表のセダン)はホイールベースを60mm短縮したもの。
そのショートホイールベース化もあいまって新世代のカローラは、かつてないほどコーナリングが楽しい仕様となっています。
と言っても乗り心地が硬くゴツゴツした印象ではなく、ギャップ乗り越え時の衝撃は柔らかくいなしてくれ、「カローラらしい」優しさを持っています。
この乗り心地の優しさには、路面の凹凸に応じてモーターのトルクをリアルタイム制御してピッチングを緩やかにする「ばね上制振制御」(というシステム名です。もっとカタカナを使った、すごい名前にすればアピール度が増すと思うのですが……)のテクノロジーもかなり効いているものと思います。
というわけで新世代ワゴンであるカローラ ツーリングは見て楽しく乗って楽しい、印象深い1台でした。ごちそうさまでした。
(写真・動画・文/ウナ丼)