ガソリンエンジン最高燃費の心臓部を持つEVハイブリッド【東京モーターショー】

東京モーターショー、スズキのブースにおいてシルエットは市販車ぽく、近づくほどにコンセプトカーっぽフシギな一台が飾られています。

 

それが「スイフトEVハイブリッド」。

 

走りが自慢の現行スイフトをベースにしたハイブリッドのコンセプトカー。EVハイブリッドというネーミングの由来は、基本はEVとして使える存在でありながら、いざというときはエンジンで発電して航続距離を稼ぐことのできるプラグイン(充電式)シリーズ・ハイブリッドであることから来ています。

前回の東京モーターショーでは旧型をベースとした「スイフト プラグインハイブリッド」が出展されていましたが、その進化版。

 

進化のポイントは大きくふたつ。

 

ひとつはバッテリー。

前回のコンセプトカーでは総電力量2.6kWhのリチウムイオン電池でしたが、このスイフトEVハイブリッドでは5.0kWhに変更。これにより、EVモードでの航続距離は前回の15kmから約30kmまで伸びています。

 

そして、ふたつめがエンジン。

航続距離を伸ばしたことで、想定しているユーザー層においては、ほとんどが家庭で充電してEVモードで走れるようになったといいます。が、そうした『いつもの使い方』を超えてしまったときの安心要素としてエンジンで発電機を回して走行できるのが、EVハイブリッドである最大のメリット。

その発電用エンジンは、前回のコンセプトカーではK6A型という古いタイプの軽自動車用エンジンでしたが、今回は、あのJC08モードで30.2km/Lという省燃費を実現したアルトエコ譲りのR06A型へスイッチしているのです。

その燃費に優れたエンジンの、さらにおいしい領域を使って発電しているというのですから、どれだけの環境性能を実現できるのか期待は高まるばかり。

 

 

遠目には市販車を見間違えるシルエットということは、このクルマはコンセプトカーながら、かなり現実的な一台ということでもあります。ならば、そうした環境性能を誰もが味わえる日はそう遠くないのかも。

 

では、スイフトEVハイブリッドを手に入れると、どんな日常が待っているのか。

その一例はショー会場で確認してください。開発主査の竹内さんが原案・原画(!)を担当したというマンガによる解説パネルが、このコンセプトカーの横に飾られています。

 

 

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
続きを見る
閉じる